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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

東洋医学よもやま話

10数年前より山内先生方から、中医学を習い、3年前より獣医の鍼灸学校(獣医中医薬学院)に通う様になってから、今更ですが中医学の素晴らしさを実感する今日この頃です。

もちろん西洋医学には西洋医学の素晴らしさがありますが、中医学は季節や患者さんの体質、疾病の状態によって治療法が違ってきます。
分かりやすく言うと、「中医学は患者さんのオーダーメイドの治療をするのが基本」という事でしょうか。
ですので同じ病名がついていても違う治療をする(違うツボに針を刺す)こともあれば、全く違う病名(症状)なのに同じツボに針を刺すこともあります。

ところで、今の時期は春。
春と言えば、「よもやま話 その①」の「五行色体表」の「木」の欄を縦に見て頂きますと、酸、風、春、肝、目、筋と書いてありますよね。
今の春の季節はそれらにまつわる症状が多く認められます。

因みに当院では、毎年この時期に安全にフィラリア予防薬をお出しする為に採血をしますが、同時に年に一度の健康診断をお勧めしています。
不思議な事に、毎月肝臓疾患で定期的に血液検査をする子達の多くは、この時期に結果が悪くなる傾向があります。

そして、筋肉の痙攣と言う意味では、てんかん発作もこの時期によく起こります。てんかん発作は、「風」の影響を受けやすいと言われています。
春は風の強い季節なので、春の風にさらされると発作が起きやすいと言われています。
ですのでその治療に使うツボも、「風府、風池」など、「風」の字の付くツボをよく使います。もちろん脈を診を取りながらその子の体質や発作の起こる時間帯等を参考にしながら、他のツボを足したりします。(因みにてんかん発作に関しては、風の影響を受ける春の病気と書きましたが、暑い夏にエアコンの風のせいで起こることもあります。)

さらに五行色体表からすると、この時期はめまいや目の疾患(花粉症なども含む)もよく認められます。

そして私達が山内先生方から習ってきた「恩 雪楓先生の手法」では、以上3つの症状(肝疾患、てんかん、目の疾患)では、殆ど「陽陵泉」と言うツボを使います。
それ以外のツボは脈を取りながら決めます。

お灸

てんかん発作の治療で通ってくれている猫ちゃん。
百会のツボに短時間だけお灸(棒灸)して気(陽気)を回します。
てんかんの子はこのツボに長時間お灸したら逆効果になるので要注意です。

せんねん灸

①と同じ猫ちゃん。やはり春になったら発作の起こる間隔が短かくなりました。
基本的にはどの子も押さえつけないで治療するので、自由きままに動く為、もぐさを捻るお灸はこの子は適しません。
なので写真①の棒灸かこのせんねん灸を使っています。

さて、それではこの時期もしくは肝臓の弱ってる子に何を食べさせたら良いかと言う事になりますが、五行の欄で「酸」と書いてある様に、酸っぱい物が肝を養います。ですが食べ過ぎると逆に肝を傷つけてしまいます。
ですから程々に酸っぱい物を摂るといいと思います。
また、よく飼い主様にもお伝えしてるのですが、肝臓と腎臓を養うには、よく中華料理の杏仁豆腐の上に乗っかってる「クコの実」が超お勧めです。
「クコの実」は、肝臓も腎臓も両方養います。
私はスーパーの調味料売り場で購入してきて、仕事の合間にそのまま食べてます。
少し甘くて私好みの味ですね!これがまた~。この味ならワンちゃん(猫ちゃんは嫌いな子もいるかもです。)も喜んでくれる子が結構います。
ただ、消化吸収し易いのは、そのまま食べるよりは他の食材を煮る時に一緒に入れて、その煮汁ごと食べさせるのが一番です。特に重度の肝腎疾患の子や癌の子等にお勧めです。

クコの実

近くのスーパーの中華料理の調味料コーナーで購入したクコの実。
いろいろ味見しましたが、直接食べるんだったら私的にはこれが一番イケました!

そうそう!!
肝臓疾患、花粉症も含めて目の疾患等で忘れてはならないのは、「マコモ」です。
「肝臓が悪いけど、薬が大嫌い!! でも何とかいい方向になって欲しい!」と言う子達にこの数年間「マコモ」をお出ししてきました。その中で良くなってる子が何頭もいます。

マコモ

マコモです。
亜鉛とカルシウムを多く含んでいるので、肝臓疾患やアトピー性皮膚炎に効果があります。
デドックス作用があるので、他のお薬の効果を下げない様にと1時間程時間をずらして飲ませて頂いています。

以上、長くなってすみませんでしたm(__)m。
思いつくままのよもやま話でした。
それでは皆さまと動物さん達、どうぞお元気で~~*(^o^)/*

2015年 5月 02日 掲載

冬の時期は五行の「水」であり、五臓で言うと「腎」、五腑では「膀胱」、五体で言うと「骨・骨髄」になります。(よもやま話 その①の表—1を参照)
ですので、この時期はこれらの臓器や骨が寒さの影響(寒邪と言います)を受けて打撃を受けやすくなります。
「椎間板ヘルニア」もその一つで、寒さが急に厳しくなる1月から2月にかけて、初診や再発の患者さんが多くおみえになります。
ただし、この冬は去年の12月中旬頃急に寒くなった週があり、その時は初診の患者さんが重なりました。
今、「寒さ(寒邪)のせいで椎間板ヘルニアになる」と言いましたが、夏の暑い時も「椎間板ヘルニア」の初診のワンちゃんが重なることがあります。
ここまでお読みになられて、既に想像してらっしゃる方もお見えだと思いますが、そういう時は暑さが厳しくなってきて、飼い主様がエアコンの温度を下げることによって、その寒邪のせいで発症してしまうのですね。

「椎間板ヘルニア」の説明に関しては、インターネットで検索して頂きますと、いろいろ出てくると思いますので、ここでは割愛させて頂きますね。
ところで、この病気(症状)は前兆がある時もありますが、多くは前兆なしで突然起こります。
いきなり下半身がふらふらになったり、下半身麻痺になって歩けなくなったりします。そして痛みを伴う時と伴わない時があります。 重症例では、排尿・排便もできなくなることがあります。

発症した時に、鍼灸や外科手術等で一生懸命治療してせっかく歩けるようになったにも拘わらず、また別の場所(別の椎間板)で、ヘルニアが起こることがあり、通院されることがしばしばあります。
それは殆どがこの寒い時期です。(正しくは寒邪の影響を受けてなります。)

さて、それではどうしたら再発の予防ができるのでしょうか!?
それは以下の通りです。

①寒い時は、なるべく身体が冷えない様に工夫する。

②2本足歩行(後ろ足2本だけで歩く事)は避ける。

③段差のある所(ソファーや階段)の昇り降りは避ける。

④どうしても段差を避けられないのであれば、スロープを付ける。

⑤滑りやすいフローリング床であれば、コルクやじゅうたんの滑り止めなどを上に敷いて滑り難くなるよう工夫する。(これは椎間板ヘルニアのみならず、股関節や膝の脱臼の子にも良いですよ!)

⑥太らせない。

⑦椎間板のクッションの材料となるサプリメント(グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン等)を摂取する。

・・・と言う感じでしょうか。

Nさんの手作りのスロープです

     Nさんの手作りのスロープです

★当院では鍼灸の治療にお見えになった飼い主さまに、上の事と同時に「お灸」もして頂くようお願いしています。
「お灸」は治療中もしますが、少しずつ良くなって来たら、通院しない時はご自宅でお灸して頂きます。
そして殆ど改善して歩けるようになってからも、ご自宅でのお灸を推奨しています。(安全な棒灸をお渡ししています。)
本当は毎日お灸して頂くのがベストですが、それが出来なければ週に2~3回はして頂くようにお願いしています。

今までの私の経験で言わせて頂くと、上に書いた①~⑦までの事と一緒にお灸をして頂くかどうかで再発率にかなり差が出るように思います。

お灸

お灸をすることによって、体中の血のめぐりも良くなり「椎間板ヘルニア」のみならず、他の病気の予防にもなります。
因みに、胸椎下方と腰椎の椎間板ヘルニアの時に効果のあるツボは、「腎兪」と「大腸兪」です。

お灸の効用については(お灸でなければ、間に合えば冬に摂ると良い食材も)、後日よもやま話・・・その⑪で掲載させて頂きますね!
それでは皆様、どうぞお大事になさって下さい☆

★因みに、「椎間板ヘルニア」の患者さんの飼い主さまも、ご自分のワンちゃんにお灸された後、ご自身にもお灸されて「肩こりや膝の痛みが楽になったよ!」とおっしゃっる方が増えました。(グー!)

2015年 2月 16日 掲載

台風19号が立ち去ったかと思ったら、秋が駆け足で来たようで・・・朝夕めっきり肌寒くなりましたね・・・。

私が今、当院でやらせて頂いている「中医学」の治療は、主に三つの柱で構成されています。
それは、「鍼灸治療」・「薬物治療」・「薬膳による治療」です。

皆さんは「気(氣)」という言葉をご存知ですか!?
「気」とは、〝私達の身体を含めてありとあらゆる物を構成する最小のエネルギー物質である”と中医学では定義されています。
そしてそれは肉眼で確認できるものではありません。
・・・というと本当に分かりにくいのですが、「元気」「勇気」「気分」「寒気」など、「気」のつく漢字は沢山ありますね。
そうやって考えると日常何気なく使っている漢字から、何となく「気」の意味合いが分かる感じがしませんか!?

私達の治療では、「鍼灸治療」をする時、治療に入る前から終わるまでの間に、何回か患者さんの 「脈(みゃく;脉)」を取らせて頂いています。
(脈を取ることを「脈診」と言います。)
因みに人は手首で脈を取りますが、動物は両足の付け根にある大腿動脈で脈を取ります。

私達は、いろんな原因で病気になっている患者さんの脈診をする時に 「気が落ちてる。」という表現をする事があります。
そういう時は、両手の指三本の指の頭で感じ取る患者さんの脈が、体格の割に細いかもしくは弱い時です。
そういう状態を「気虚」と言います。例えばそれが腎臓由来であれば、腎気虚、脾臓由来であれば脾気虚と言います。 また腎気虚のうち、熱や冷えの症状を伴うようであれば、腎陰虚、腎陽虚と言います。 脈一つ取るだけで、患者さんのどの臓器が悪いのか、熱があるのか冷えているのかなどが分かります。もちろん患者さんの状態を脈診だけで診るのではなく、総合的に判断するのですが。)

鍼灸治療では、患者さんの穴(ツボ)に何本か針を刺したり、お灸を施したりしていますが、基本的にはそれらの施術をすることにより、患者さんの ‟脈を整えたり ” ‟気を上げることによって” 患者さんを健康な状態に導くことではないかと、私は思います。
ですので、鍼灸治療をしながら途中で何回か脈診をして、患者さんの脈が改善してきたら治療が良い方向に向かっていると言えます。
それは、鍼灸治療のみならず、中医学の三本柱の他の二つの治療(薬学治療・薬膳による治療)でも言えることだと思います。

✻因みに、艾(もぐさ)のお灸は身体の悪いところの穴(ツボ)を温めて刺激して楽にするだけでなく、気を上げる効果もあると言われています。
病院でも針治療と一緒にお灸もすると、目に力が出てきたり食欲も出たりして元気になるのを実感します。ですので、鍼灸治療で来院される殆どの飼い主さまにはご自宅で患者さん(動物)にお灸をして頂いてます。
そして飼い主さまにもお勧めしたりしています。
「風邪、肩こり、五十肩、膝の痛みなどお楽になられて元気にもなる!」ということで、結構好評ですよ(^^)V。

次回は、「今、この時期に食べて頂きたい食品・・・薬膳」についてお話させて頂きたいと思います。
それでは皆様、どうぞお元気で~・・・・!!

2014年 10月 15日 掲載

お盆もやっと過ぎましたが、まだまだ暑い日が続きますね~・・・。

朝晩のワンちゃん達のお散歩はアスファルトの照り返しがきついので、涼しい時間帯を選んでコマメに水分の補給をして頂きたいと思います。
こんな時は、スイカ、キュウリ、冬瓜など、瓜系の物は熱を冷ましてくれるので、動物さんにも食べさせてあげましょう。
ただ、与えすぎによって逆に冷えを起こすこともありますので、ほどほどにして頂けたらと思います。

今の時期は熱中症もそうですが、鍼灸治療をさせて頂いている者からすると、この時期にしては「意外!!」と思う病気に毎年遭遇しますので、気をつけて頂きたいと思います。

それは・・・
なんと、「椎間板ヘルニア」です。
東洋医学の「五行」で言いますと、「椎間板ヘルニア」のような“骨の病気”は、冬の寒い季節に起こりやすいと言われています。
ですので、ワンちゃんの椎間板ヘルニアの発症も圧倒的に冬が多いです。
寒さが酷くない初冬はそうでもないのですが、一気に寒くなり始めますと、同じ時期に初診の椎間板ヘルニアの患者さん、もしくは以前罹って鍼灸治療や手術で一旦改善したにも拘らず、また再発してしまう患者さんが重なるんですね。

ですが、特にここ3年~4年くらいの間、冬の椎間板ヘルニアの患者さんは当たり前なのに、今、この夏の暑い時期にヘルニアの患者さんが重なるんですね・・・。
それは、なぜか・・・・。
そうです!! エアコンのせいなのです。
暑くなり始めの時と、残暑が厳しい時など、飼い主さまがエアコンの温度を下げる事によって、身体が冷えて(寒邪によって)発症してしまうのですね!
ですので、椎間板ヘルニアの再発の危険性のある子がいるご家庭は、エアコンの温度に注意する。もしくは、腰(頚部の場合は首)が冷えない様に、薄手の腹巻を巻いてあげたり、棒灸で腰を温めてあげると発症予防になって良いと思います。
それでも発症した時は、なるべく早く治療してあげて下さいね。

※オマケですが、意外ではない話として・・・夏の湿気の多い時に罹り易い病気としては、やはり皮膚病が多いと思います。
患部を清潔にすると共に、原因がはっきりしている時(寄生虫、細菌感染・真菌感染など)は、その原因を根治すること。
そして、痒み、赤みなど炎症の酷い難治性の皮膚炎などは、抗生物質や抗炎症剤を使っても良くならない時、漢方薬で改善することが結構あります。
その子がどんな状態かを把握して、その子にあった漢方薬を服用すると改善することがありますね。
それと、まこも水を200倍に薄めてまこもの温浴もしくは原液を患部に噴霧するのもお勧めです。
食餌アレルギーと思われる子達に食餌に関して言わせて頂くとしたら、「生まれてこのかたラム肉を食べさせた事がないから、おそらく大丈夫だろう!」と言う推測から、ラム肉を食べさせてみえる飼い主さまがいらっしゃいますが、ラム肉はもとも寒い地方で食べられる肉なので、身体を温める作用があり、炎症の酷い子が食べると逆に悪化することもありますので、様子をみながら与えて下さいね。

※もう一つ、この夏に意外な病気・・・それはエアコンにあたったことによる(風邪による)癲癇(てんかん)の患者さんです。
癲癇は、風病とも言われ、主に春の温かい季節の風に当たって罹る病気だと言われています。
ですが、この時期、先ほど言った理由で発症することがありますので、エアコンの温度に気をつけて頂き、ワンちゃん猫ちゃん、ウサギさんなどのいる場所が直接エアコンの風が当たらないか十分注意して下さいね。

以上、思いつくままの「よもやま話」をさせて頂きました。

2014年 8月 16日 掲載

こんにちは。

今日は棒灸に含まれる漢方の効能についてご紹介させて頂きます!
 

棒灸とは、艾(もぐさ)などの薬草を和紙で棒状に包み、端に火をつけてツボに近づけて血流の悪い凝ったところを治療するための鍼灸用品です。

棒灸には、艾だけを包んだ純艾條と、艾と数種類の薬草を包んだ太乙薬條があります。
棒灸は身体に不調がある時、身体のツボに棒灸をあてることによりそのツボに関連する臓器を刺激して改善の方向に向かわせます。また艾自体にも「気」を上げる作用があります。通常の鍼治療の中で鍼の治療と併せて艾のお灸をすると元気になるのはそのためです。

今回は、当院で使っている太乙薬條に含まれる薬草(漢方)の成分についてご紹介します(^^)

(艾の効能については、また後日ご紹介させて頂きます。)


当院では、

棒灸☆棒灸「太乙薬條」 一本 ¥350(税抜)

☆棒灸ヘルパー   一本 ¥2200(税抜)
(棒灸ヘルパーとは、温灸器と火消しつぼがセットになったものです。棒灸を差し込んで使用します。使い終わったら、棒灸を挿したまま火消しつぼにかぶせて消火でき、大変便利です。)

にて、ご用意させて頂いております。

ご興味を持たれた方は、お気軽に受付までお申し付けください(^^)

2014年 6月 30日 掲載

皆さま、こんにちは!

毎朝、満開の桜を通勤途中に眺めてはにんまりしておりましたが、だんだん葉桜になりつつありますね・・・。
でも、基本的に春は花のみならず新緑も綺麗で大好きです!!

ただ・・・春は五行のうちの「木」に属します。「木」の五気は「風」ですので、「風」の影響を受けます(風邪;ふうじゃと言います。)
よもやま話その①、表ー1の五行色体表を参照して下さい。表の「木」の行を上から下へたどっていって下さいね。)

風邪は主に首から上の症状を起こします。
このことより、今の時期は花粉症による鼻水・くしゃみ、そして涙目など目の症状やめまい、頭痛などを起こす人や動物が多いことになります。(めまいと頭痛は動物では分かりにくいですが・・・。)
もし、ご自宅のワンちゃんや猫ちゃんで花粉症(もしくはアレルギー様の症状)を起こしている子がいて、人間の食べ物を食べさせていらっしゃる飼い主さまがおみえでしたら、以下の食べ物は食べさせないようにして下さいね。

  • タケノコ ・イチゴ(イチゴと言うと皆さん、結構驚かれる方が多いのですが、イチゴはアレルギー様症状を起こすヒスタミンと言う物質を誘発すると言われています。タケノコも同様です。)
  • この後に列挙するものは、動物には与えてらっしゃらないと思いましたが、お読み頂いている方々の中で花粉症の方がいらしたら注意して頂けたらと思って、一応書かせて頂きました。
  • コーヒー・チョコレート・香辛料・アルコール(全部私の好きなものばかりです。それは関係ないか・・・。)

その①の五行色体表」の「木」の行を上からたどっていきますと、「肝」「胆」「目」「涙」「筋」「怒」となっていますね。
今、フィラリアの検査のついでに一般的な血液検査も結構させて頂くのですが、毎年今の時期だけ肝臓や胆嚢に問題がある時に上がる酵素(GPTやALPなど)が異常値を示すワンちゃんが数頭います。その子たちは数か月すると一旦下がるのですが、またこの時期になると上がる・・・・を繰り返しています。一応正常値になっても肝臓疾患(もしくは胆嚢疾患)予備軍として年に数回は再検査をさせて頂いています。 
また、元々肝臓や胆嚢疾患の子達がこの時期に上がり易いことは言うまでもありません。

そして表の通り、この時期は肝臓のみならず目、筋肉に関わる症状が多く出ます。
上にも書いた通り、目の疾患の他、筋肉の痙攣(けいれん)なども起きやすくなります。
それはどれもが繋がっているので、この時期になると「風邪」の影響を受けて発症します。
例えば肝臓と目は繋がってますので、「目を使いすぎると肝臓が悪くなる。」そしてその逆もあります。
また肝臓と筋肉も繋がってますので、「肝機能が落ちてくると筋肉もうまく働かなくなる」と言えます。
そしてよく、「肝臓は怒りの臓器」と言いますが、それはここから来ていると思います。(「黄帝内経」という中国の古い医学書にこれらのことは書かれています。)
ですので、怒りをためながら生活をしていると肝臓が悪くなりますし、その逆もありますので、肝臓が悪くなると怒りっぽくなったり判断力が鈍ったり、もっと酷い時は鬱のような症状を起こすこともあります。

・まとめ・・・
以上のことより、今の季節は花粉症など首から上の病気や、肝臓、目、筋肉の病気に気をつけて頂きたいと思います。
そしてアレルギー症状を示すようであればまずは食事に気をつける事。
それから、本来寒い冬が終わり春になって暖かで過ごしやすい時期なのですが、その暖かさの中で子寒い風が吹く様な時は、特に「てんかん」も発症しやすいので、「てんかん患者さん」を持つ飼い主さまは注意して頂けたらと思います。

2014年 4月 08日 掲載

暦の上ではちょうど今日が立春になりますが、まだもう少し寒さは続くようですね・・・。
リアルタイムで旬の情報を皆様にお伝えできたら!!と思いつつ・・・今年の10月までは月に二回の学院での授業を中心に、そしてそれ以外ではシータヒーリング等にも力を入れていますので、更新が遅くなりまして少し?ジレンマを感じる今日この頃です。

さて、「よもやま話その①」の「五行色体表(表1)」を見て頂きますと、この時期は一番上段の五行の中の「水」の縦列に列挙されている通り、気(五気)は「寒」、季(五季)は「冬」、そして臓(五臓)・腑(五腑)・体(五体)は、各々「腎」・「膀胱」・「骨」になります。

年末から寒さが厳しくなって参りましたが、ぐっと底冷えするようになった1月の中旬から下旬にかけて、鍼灸での「椎間板ヘルニア」の新患の患者さんと膀胱結石等の泌尿器系の患者さんが多かったように思います。
やはり、この五行色体表の通り、この時期は動物(恐らく人も)にとって、骨、腎、膀胱に負担がかかるせいだと思います。
経験的な事を言わせて頂くと、膀胱結石の要因は外因である「寒さ」と共に「低気圧」も関係しますので、今の寒い時期のみならず、台風や梅雨時も結石の患者さんが増えたりします。
以前よもやま話にも書かせて頂いたと思いますが、病気の要因は外因のみならず内因そしてそれ以外にもありますので、寒さや低気圧のみならず精神的ストレスや感染、食事、体質等ももちろん関係してきます。・・・話を元に戻しますね!

椎間板ヘルニアは、多くの場合前兆もなくある朝突然下半身が動けなくなっていた。軽症では歩かせようとしたら、腰から下がふらつく・・・。そして重度になると下半身が動けなくなるだけでなく排便排尿もできなくなってしまうこともあります。
一昔前までは、1日入院して頂いて、もの凄く高濃度のステロイドホルモンを3時間毎に減量しながら点滴をして行って、その治療をしても改善しない時は、外科手術をする。というのが主流でした。

ですが、今はその治療法は殆ど行われない事が多く、①ケージレストをして、一にも二にもとにかく安静にする。②必要なら適量(なるべく低濃度で)の鎮痛剤を数日使いつつ、エラスポール(好中球エラスターゼ阻害剤)を5~10間注射して炎症を抑える。③①と②を行いつつ、発症してからできるだけ早い時期に鍼灸治療もしくは外科手術(発症してから外科手術をするまでの間隔は文献によって違いはありますが。)をする。というのが主流かと思われます。
当院では、椎間板ヘルニアの8割以上はミニチュアダックスですが、その他プードル、ウエルッシュコーギーでも発症しています。そして発症する子達の多くは活発で運動能力も高く、常にソファーと床をピョンピョンしている子や後肢二本足で立つ子に多く認められます。

さて・・・・普段痛みもないのでワンちゃん達は元気に動き回る中で、飼い主さま達は、「一体どの様に気をつければ良いのか?!」ということになりますが、なるべく上に書いた様な段差を動き回る様な運動や二本足で立たせる事を避けて頂くと共に、寒い日は充分保温に努めて頂くようにして頂けたらと思います。
そしてもし、発症してしまったら、直ぐに動物病院で受診して頂き、それまでの間はとにかく安静をお勧めします。
更に、お手元にもぐさの棒灸(市販の「せんねん灸」や火を使わない「せんねん灸太陽」でも構いません。)がありましたら、腎兪や大腸兪をお灸して下半身の増強に努めて頂くと尚更治癒を早めます。(「よもやま話その②インフルエンザ等の感染症に罹った時のお灸」を参照して下さい。)

当院では、経過が良くなって来ましたら、治療の間隔を延ばす為にも、ご自宅でのこの二点のお灸をお勧めしていて、かなりの効果があることは実感していますが、明らかな熱感を伴う場合は診察をしてからお使い頂く方が良いこともあります。

さて、膀胱結石等の泌尿器疾患についてですが、先程お伝えした様に寒さやそれ以外のストレス、食餌に気を付けて頂くと共に、一回のおしっこの量が減って来たり、おしっこの回数が多くなったり、はたまたネコちゃんではトイレでしぶり尿をする時(排尿したくても思うように出ず残尿感があるように思われる時)、そして血尿になったりした時は出来るだけ早めの受診をお勧めします。

また、泌尿器疾患の時にもお灸は本当にお勧めです!
腎兪と共に膀胱兪をお灸されると良いでしょうね・・・。
一点につき、棒灸なら5~10分がお勧めです。
もぐさのお灸は体(ツボ)を温めるだけでなく、病気によって落ち込んでいる「気」も上げますので、動物達も元気になります。
是非、一度お試しくださいね。

2014年 2月 05日 掲載

11月後半に「よもやま話を」作成しつつありましたが、忙しさに取り紛れて気が付いたら師走に入いり、そして年が明けてしまいました。
先回の「よもやま話」の秋の話題が中途半端でしたので、秋冬の季節に関わるお話を書かせて頂きますね。

風邪は外邪(外からの要因)が入ることと自分の免疫力との闘いによるものだという事は前回お話したと思います。
そこで、「実際にひいてしまった時にどうしたら良いか!?」についてお伝えしますね!

1)感染初期(少し寒気がして発熱しそうな時)

①お灸をあてる
一番初めにお伝えした棒灸やもぐさの温灸をお持ちでしたら、大椎(最後の頸椎と第一胸椎の間。よもやま話「インフルエンザ等の感染症に罹った時のお灸」をご参照ください。)に5~10分程お灸をして下さい。あてているうちに発汗してきたらしめたものです!

②生姜を摂る
因みに、急性の発熱には生の生姜が良いのですが、生の生姜は急速に身体を温めますが、効果の持続時間が短いので、風邪による発熱が目的ではなく、慢性の冷え症を改善するのが目的でしたら、生の生姜よりは一週間天日干しをした生姜(写真1・2)の方が効果の持続時間が長いです。
また、ワンちゃん達にあげる時は、刺激が強く癖のある味ですから、少量にして下さいね!
・・・ワンちゃんや猫ちゃん達は感染症の初めに、「寒気がするんだよね~・・・。」とは言ってくれないので、実際この時期(感染初期)を判断するのは難しいと思います。 私達は内股の動脈(大腿動脈)で脉(みゃく)を取ることによって判断しています。

写真1

写真1:
生姜を適当な大きさに刻んで、ザルに入れ更にひと回り小さいザルで蓋をして、一週間天日干しします。

写真2

写真2:
出来上がった状態がこれです。
かなり縮んでしまいましたが、朝、急いでいる時にささっと紅茶に入れて飲むと、時間も掛からず身体も暖まって・・・とても重宝しています。

2)咳が出た時に摂ると良い食品

一般的に五行の表の肺のところに白。と、あるように、実際白い食べ物に咳止めの効果の高いものが結構あります。
もう時期は終わってしまいましたが、梨。そして山芋。サトイモの仲間のレンコン(これはテレビの受け売りです!喉の炎症や咳を鎮める作用があるとか・・・。)や大根も良いですね~・・・。

3)お薬について

東洋医学を学ぶまでは、風邪をひいたらとにかく抗生物質と解熱剤!(抗生物質はウィルス疾患でも混合感染を予防するために使うのだと解釈してました。)と思ってましたが、解熱剤に関しては、熱が高くなった時に飲むものであり、実際は時期を間違えたりのべつまくなく服用すると、必要以上に熱を下げたり、必要以上に体力を消耗する事になりかねませんので、そのことに注意しながら服用することが肝心かと思います。

2014年 1月 04日 掲載

残暑もやっと終わり、当然静かな秋が来るのだと思っていましたが、先日の台風の被害は本当に大変なものでしたね・・・。
ニュースを見る度に胸が詰まる思いです・・・。

さて、東洋医学で「秋」と言えば、五行では「金」に当たります。
そして「金」の五気は「燥(乾燥)」であり、臓は「肺」、腑は「大腸」になります。
五官は「鼻」、五液は「涕(てい;鼻水の意味)」です。(2回めのよもやま話・・・『五行について・・・例えば目と肝臓と爪・・・私の場合』の表ー1五行色体表を参照して下さい。「金」の縦の列を見て下さいね。)

人も動物も基本的には、気候の変化など外からのいろいろな刺激(風、暑さ、火、湿気、乾燥、寒さ等・・・「外邪、もしくは六淫;りくいん」と言います。)から身を守るようになっています。
しかし、その外邪の力が強すぎたり、季節に反して出現するという異常事態が起きたり、もしくは私達の身体自体がストレスや疲労で身を守る力が弱くなったりした時に、いろいろな病気を引き起こします。

今の時期(秋、金の列)は、「鼻」と深く関係があり、臓では「肺」が影響を受けます。
ですので、上に書いた外邪が鼻から侵入し(口からも侵入します。)、鼻水が出たり、肺が傷つけられたりして咳などの症状が出ます。 
もともと肺は湿気を好み乾燥を嫌う性質があるので、尚更今の時期は要注意です。

病気になる要因として、外邪のご説明をしましたが、外邪の中には上の六淫(りくいん)と共に疫癘(えきれい)と言って、伝染性・流行性のもの(いわゆる感染)もあります。

また外邪以外病気になる要因としては感情(悲しみ、憂い…など)や生活形式・生活態度(働き過ぎなど)等も関連します。

ですので、今の時期は、乾燥に十分注意して少しでも今言った症状(鼻水、咳等)が出たら、身体を休め、そしてこれはどの季節にも言えることですが、ストレスを溜めず十分休息を取ることをお勧めします。

今お伝えしたストレスですが、それは人(飼い主さま)だけに限ったことではありません。
飼い主さまが眉間にシワを寄せ動物に愚痴ばかり言っていたり、ご家族の間でケンカが絶えなかったり、動物がずっと寂しい思いを強いられていたりすると、動物達も心のみならず身体の方にも症状が出てきます。
そう・・・。心と身体は繋がっていますからね・・・。
そういう意味では、人も動物も同じなのですね。
生きていればいろいろな事が起こり、心乱れることもあると思いますが、ご自身の為にもそして同居している動物達の為にも・・・いろいろな事を上手に受け入れ受け流し、心穏やかに生きることが大切なのでしょうね!”

・・・・という事で、久々に「よもやま話」を書かせて頂きました。
月に二回の吉祥寺での動物の鍼灸専門学校(日本獣医中医薬学院)も、この10月から晴れて二年生になりました。
先日(13日)、第一回目の授業がありました。
以前から小中研(小動物中医学研究会)で学んでいた事を掘り下げるようなより深い内容であることを知って、気合を入れてるところです。(気合という言葉を使うところが、やはり体育会系だな~・・・と我ながら失笑してしまいました・・・(^^;))
そんなこんなで相変わらずバタバタの毎日を送っていますが、皆さまに少しでも「中医学(東洋医学)」を身近なものに感じて頂けるよう顔晴って発信していきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

「五悪」

2013年 10月 21日 掲載

巷では、インフルエンザが流行っているとか・・・。
でも、もう今は下火なのでしょうか・・・~?!

「よしっ!じゃあ、今回のよもやま話のテーマはこれだ!」と、思い立ったのはいいのですが、そうこうしているうちに10日程過ぎてしまいました(焦・・・)。
ですので、罹ってしまってやっとこさ治った方は次回の参考にして頂けたらと思います。
ワンちゃん猫ちゃん、うさぎさん達に・・・・と言うよりどちらかと言うと、今回は飼い主さまに向けてのお話かも知れません。

今回は「ご自宅でのお灸」についてお話させて頂くわけですが、もし、実践して頂けるのでしたら、なるべく罹り始めの時期にやって頂けたら、結構お役に立つと思います。

 

大椎

イラスト①『大椎』

1)まず、「インフルエンザや風邪に罹ったかも知れない!」と思った時は、イラスト①の『大椎』と言うツボにお灸をします。
『大椎』は、頸椎のうちの一番最後の大きな骨(第七頸椎)の直ぐ下のくぼみにあります。(第七頸椎棘突起と第一胸椎棘突起の間です。)

5分でも10分でも、心地いいと感じるくらいの間お灸します。

お灸の目安として、皮膚が発赤する程度あるいは大椎の周りが軽く発汗する位にして下さいね!
たまにやり過ぎて低温やけどをする方もおみえですので・・・^-^;。

もぐさ

写真① もぐさ

写真② 台座灸と棒灸

写真② 台座灸と棒灸

写真③ ネコちゃんにお灸をしているところ

写真③ ネコちゃんにお灸をしているところ

因みに、この写真で使用しているお灸は、艾(もぐさ;写真①)を棒状にして固めたものです。(棒灸と言います。)
写真②③の様に、この棒灸を、「打ち出の小槌」みたいな台座に刺して固定してツボにあてます。
熱さの調節は棒灸を刺した長さで調節できます。

インフルエンザ(や風邪)に罹った時は、1日1回~2回罹り始めの2~3日の間、大椎にお灸するだけで、多くの場合高熱が出なくて済みます。
実際、このことを数人の飼い主さまにお伝えしたところ、「うちの姪っ子がインフルエンザに罹ったんだけどお陰さんで軽くすんだよ!」 と嬉しいご報告を頂きました(^^)V。

 

さてここで~・・・。
・『大椎』というツボ(経穴;けいけつ)についてお話させていただきますね。
『大椎』のツボの効能としては、体内の熱を冷まして体表の邪気※1を取り除く。感染症を抑える。精神疾患を回復させる。その他頚部・背部のこわばりと痛み、咳に効くと言われています。

※1ここで言う邪気とは、自然界における外因(病気の原因)のことであり、「風、寒、暑、湿、躁、火」の6つの気のことを言います。
私達は、これらの外因が過剰になったり私達自身の気が落ちて疲れやすくなったりすると免疫力も落ちて、感染症や様々な病気になるわけですね。
そんな時 『大椎』にお灸をすることによって、上記した効果が得られます。

・そして「お灸」とは、艾(もぐさ)を燃やしてその熱と艾の薬理作用でツボを刺激して治療する方法です。

・ですので、ツボをお灸で刺激することにより、そのツボの持つ効果が発揮されるということになります。

 

☆ここまでで、今日お伝えしたいことの多くはおしまいです(^^)!

熱の出始めでさむけを感じた時はホントおススメですので、是非一度やってみて下さいね!
それから、さむけが酷い時は、『腎兪』(イラスト②)にもお灸をすると身体が温まりますよ。

イラスト②『腎兪』

イラスト②『腎兪』

『腎兪』は、その名の通り、腎疾患や尿道疾患に効きますし、下半身も強くします。
鍼灸で来院して下さる飼い主さまに「患者さん(動物)の『腎兪』にご自宅でお灸して下さいね。」と、お願いをすることが多いのですが、やって頂いてしばらくすると殆んどの子の毛づやが良くなります。そして足腰もしっかりしてきます。
ですので私は 「腎兪は若返りのツボ」と、勝手に命名させて頂いてます(笑)。

『腎兪』と言うツボは、第二腰椎と第三腰椎の間にあります。イラストの様に一番下の肋骨のラインから真っ直ぐ背骨に引いたラインがそこに当たります。

ちなみに動物達は、「ちょっとさむけがするんだよね~・・・。」 とは言ってはくれませんので、通常私達は足の付け根の大腿動脈(股動脈)を触って脉(みゃく)を取ります。脉を取ることによって、その動物が冷えているのか熱があるのかどこの臓器が悪いのかが、大体分かります。
脉に関しては、いつかまた書かせて頂きますね!

ここまでの間で「読み疲れたわ~!」と言う方はおしまいにして頂き、「もう少し読んでもイイかな~!?」と思われた方は宜しければ下の補足もお読みくださいね(^^)!

 

≪補足≫ … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … …

≪「ほんじゃあ、なぜ病気の時に針やお灸が効くわけ~・・・?!」ってことについて≫

ちょっとその前に、「ツボ」(経穴;けいけつ)」と「経絡(けいらく)」についてお伝えしますね!

・そもそも「ツボ」は、体の表面(浅い部分)にあり、体の奥の臓器等と繋がっています。
その「ツボ」を刺激すると奥の臓器等に治療効果が出ると言われています。
そこで、その「ツボ」を刺激するのが、お灸だったり鍼(針)だったりするわけですね。
「その刺激がなぜ、体の臓器等の治療になるのか・・・?!」と言うことになりますよね。
ここで今度は、「経絡;けいらく」と言う概念が出てきます。

・私達の身体には代表的には、①12本の「経絡(12正経)」と②2本の「経絡(奇経八脈のうちの、任脈と督脈)」の計14本の「経絡」があります。
「経絡」とは、気と血が通る体の通路であり、それを交通網に例えるとしたら電車の線路が「経絡」であり、そのうちの大きな駅(東京駅や品川駅等々・・。)が「ツボ」になります。
①の12本の経絡のそれぞれは、決まった臓器と連絡していてその決まった臓器に気と血を巡らせていると言われています。それによって私達の体は正常に保たれているのです。また、それら12本の経絡全部は繋がっていて一本の環(わ)になっており、私達の身体を一日50周循環していると言われています。

・以上により、病気になった時身体の表面の「ツボ」を針やお灸で刺激するとその刺激が「経絡」を通って身体の奥の臓器等に伝わって行くわけなのですね~!

それによって気や血の流れもよくなり、治療効果が出る。と言うことになります。

・ところで今回お話に出した、『大椎』は、①と②の計14本の経絡のうちの7本が通るツボです。(ひえ~!!スゴイ!!)
代表的なツボが、約350個あると言われているうちで、7本の経絡が通ると言うツボは『大椎』だけなんです。
なので、とても重要なツボになるんですね~・・・。
別名『百労』と言い、「あらゆる病気に使える。」と言う意味があります。

 

ねぇ~!!
東洋医学って結構面白いでしょう~!!
少し前から日本は(日本に限らず)歴史的な時代の流れの中で “西洋医学一辺倒”になってしまってましたが、こうやって学んでみると中国で何千年も前からこんな素晴らしい医学があったなんて、本当に感激します。

・・・・と言うことで、長いよもやまにお付き合い下さいまして、ありがとうございましたm(_ _)m。
皆さま、針やお灸等を多いに活用して頂いて、病気になる前に良い状態(未病)になって頂けたらと思います。

 

・今回は、「ご自宅で出来るお灸」ということでお話させて頂いてますが、病院で様々な疾患で『大椎』に針を打つ時は、患者さんの脉(みゃく)を取りながら、脉に合わせた手法で『大椎』に針を打ちます。

2013年 2月 08日 掲載