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その⑤「椎間板ヘルニア、泌尿器疾患等・・・冬のこの時期に気をつけるべき病気」

暦の上ではちょうど今日が立春になりますが、まだもう少し寒さは続くようですね・・・。
リアルタイムで旬の情報を皆様にお伝えできたら!!と思いつつ・・・今年の10月までは月に二回の学院での授業を中心に、そしてそれ以外ではシータヒーリング等にも力を入れていますので、更新が遅くなりまして少し?ジレンマを感じる今日この頃です。

さて、「よもやま話その①」の「五行色体表(表1)」を見て頂きますと、この時期は一番上段の五行の中の「水」の縦列に列挙されている通り、気(五気)は「寒」、季(五季)は「冬」、そして臓(五臓)・腑(五腑)・体(五体)は、各々「腎」・「膀胱」・「骨」になります。

年末から寒さが厳しくなって参りましたが、ぐっと底冷えするようになった1月の中旬から下旬にかけて、鍼灸での「椎間板ヘルニア」の新患の患者さんと膀胱結石等の泌尿器系の患者さんが多かったように思います。
やはり、この五行色体表の通り、この時期は動物(恐らく人も)にとって、骨、腎、膀胱に負担がかかるせいだと思います。
経験的な事を言わせて頂くと、膀胱結石の要因は外因である「寒さ」と共に「低気圧」も関係しますので、今の寒い時期のみならず、台風や梅雨時も結石の患者さんが増えたりします。
以前よもやま話にも書かせて頂いたと思いますが、病気の要因は外因のみならず内因そしてそれ以外にもありますので、寒さや低気圧のみならず精神的ストレスや感染、食事、体質等ももちろん関係してきます。・・・話を元に戻しますね!

椎間板ヘルニアは、多くの場合前兆もなくある朝突然下半身が動けなくなっていた。軽症では歩かせようとしたら、腰から下がふらつく・・・。そして重度になると下半身が動けなくなるだけでなく排便排尿もできなくなってしまうこともあります。
一昔前までは、1日入院して頂いて、もの凄く高濃度のステロイドホルモンを3時間毎に減量しながら点滴をして行って、その治療をしても改善しない時は、外科手術をする。というのが主流でした。

ですが、今はその治療法は殆ど行われない事が多く、①ケージレストをして、一にも二にもとにかく安静にする。②必要なら適量(なるべく低濃度で)の鎮痛剤を数日使いつつ、エラスポール(好中球エラスターゼ阻害剤)を5~10間注射して炎症を抑える。③①と②を行いつつ、発症してからできるだけ早い時期に鍼灸治療もしくは外科手術(発症してから外科手術をするまでの間隔は文献によって違いはありますが。)をする。というのが主流かと思われます。
当院では、椎間板ヘルニアの8割以上はミニチュアダックスですが、その他プードル、ウエルッシュコーギーでも発症しています。そして発症する子達の多くは活発で運動能力も高く、常にソファーと床をピョンピョンしている子や後肢二本足で立つ子に多く認められます。

さて・・・・普段痛みもないのでワンちゃん達は元気に動き回る中で、飼い主さま達は、「一体どの様に気をつければ良いのか?!」ということになりますが、なるべく上に書いた様な段差を動き回る様な運動や二本足で立たせる事を避けて頂くと共に、寒い日は充分保温に努めて頂くようにして頂けたらと思います。
そしてもし、発症してしまったら、直ぐに動物病院で受診して頂き、それまでの間はとにかく安静をお勧めします。
更に、お手元にもぐさの棒灸(市販の「せんねん灸」や火を使わない「せんねん灸太陽」でも構いません。)がありましたら、腎兪や大腸兪をお灸して下半身の増強に努めて頂くと尚更治癒を早めます。(「よもやま話その②インフルエンザ等の感染症に罹った時のお灸」を参照して下さい。)

当院では、経過が良くなって来ましたら、治療の間隔を延ばす為にも、ご自宅でのこの二点のお灸をお勧めしていて、かなりの効果があることは実感していますが、明らかな熱感を伴う場合は診察をしてからお使い頂く方が良いこともあります。

さて、膀胱結石等の泌尿器疾患についてですが、先程お伝えした様に寒さやそれ以外のストレス、食餌に気を付けて頂くと共に、一回のおしっこの量が減って来たり、おしっこの回数が多くなったり、はたまたネコちゃんではトイレでしぶり尿をする時(排尿したくても思うように出ず残尿感があるように思われる時)、そして血尿になったりした時は出来るだけ早めの受診をお勧めします。

また、泌尿器疾患の時にもお灸は本当にお勧めです!
腎兪と共に膀胱兪をお灸されると良いでしょうね・・・。
一点につき、棒灸なら5~10分がお勧めです。
もぐさのお灸は体(ツボ)を温めるだけでなく、病気によって落ち込んでいる「気」も上げますので、動物達も元気になります。
是非、一度お試しくださいね。

2014年 2月 05日掲載
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