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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

その⑩「椎間板ヘルニアの再発予防法について」

冬の時期は五行の「水」であり、五臓で言うと「腎」、五腑では「膀胱」、五体で言うと「骨・骨髄」になります。(よもやま話 その①の表—1を参照)
ですので、この時期はこれらの臓器や骨が寒さの影響(寒邪と言います)を受けて打撃を受けやすくなります。
「椎間板ヘルニア」もその一つで、寒さが急に厳しくなる1月から2月にかけて、初診や再発の患者さんが多くおみえになります。
ただし、この冬は去年の12月中旬頃急に寒くなった週があり、その時は初診の患者さんが重なりました。
今、「寒さ(寒邪)のせいで椎間板ヘルニアになる」と言いましたが、夏の暑い時も「椎間板ヘルニア」の初診のワンちゃんが重なることがあります。
ここまでお読みになられて、既に想像してらっしゃる方もお見えだと思いますが、そういう時は暑さが厳しくなってきて、飼い主様がエアコンの温度を下げることによって、その寒邪のせいで発症してしまうのですね。

「椎間板ヘルニア」の説明に関しては、インターネットで検索して頂きますと、いろいろ出てくると思いますので、ここでは割愛させて頂きますね。
ところで、この病気(症状)は前兆がある時もありますが、多くは前兆なしで突然起こります。
いきなり下半身がふらふらになったり、下半身麻痺になって歩けなくなったりします。そして痛みを伴う時と伴わない時があります。 重症例では、排尿・排便もできなくなることがあります。

発症した時に、鍼灸や外科手術等で一生懸命治療してせっかく歩けるようになったにも拘わらず、また別の場所(別の椎間板)で、ヘルニアが起こることがあり、通院されることがしばしばあります。
それは殆どがこの寒い時期です。(正しくは寒邪の影響を受けてなります。)

さて、それではどうしたら再発の予防ができるのでしょうか!?
それは以下の通りです。

①寒い時は、なるべく身体が冷えない様に工夫する。

②2本足歩行(後ろ足2本だけで歩く事)は避ける。

③段差のある所(ソファーや階段)の昇り降りは避ける。

④どうしても段差を避けられないのであれば、スロープを付ける。

⑤滑りやすいフローリング床であれば、コルクやじゅうたんの滑り止めなどを上に敷いて滑り難くなるよう工夫する。(これは椎間板ヘルニアのみならず、股関節や膝の脱臼の子にも良いですよ!)

⑥太らせない。

⑦椎間板のクッションの材料となるサプリメント(グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン等)を摂取する。

・・・と言う感じでしょうか。

Nさんの手作りのスロープです

     Nさんの手作りのスロープです

★当院では鍼灸の治療にお見えになった飼い主さまに、上の事と同時に「お灸」もして頂くようお願いしています。
「お灸」は治療中もしますが、少しずつ良くなって来たら、通院しない時はご自宅でお灸して頂きます。
そして殆ど改善して歩けるようになってからも、ご自宅でのお灸を推奨しています。(安全な棒灸をお渡ししています。)
本当は毎日お灸して頂くのがベストですが、それが出来なければ週に2~3回はして頂くようにお願いしています。

今までの私の経験で言わせて頂くと、上に書いた①~⑦までの事と一緒にお灸をして頂くかどうかで再発率にかなり差が出るように思います。

お灸

お灸をすることによって、体中の血のめぐりも良くなり「椎間板ヘルニア」のみならず、他の病気の予防にもなります。
因みに、胸椎下方と腰椎の椎間板ヘルニアの時に効果のあるツボは、「腎兪」と「大腸兪」です。

お灸の効用については(お灸でなければ、間に合えば冬に摂ると良い食材も)、後日よもやま話・・・その⑪で掲載させて頂きますね!
それでは皆様、どうぞお大事になさって下さい☆

★因みに、「椎間板ヘルニア」の患者さんの飼い主さまも、ご自分のワンちゃんにお灸された後、ご自身にもお灸されて「肩こりや膝の痛みが楽になったよ!」とおっしゃっる方が増えました。(グー!)

2015年 2月 16日掲載
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