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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

【ちょっとしたお話】 予防・ケア

こんにちは。

今年も長雨の時期がやってきましたね。

雨の日も嫌いではないのですが、乾かない洗濯物やペットちゃんたちのニオイがちょっと…

と思ってしまう時期でもあります。

今日は、そんな「ニオイ」対策に手作り消臭剤をご紹介したいと思います(^^)

 

【材料】

・エタノール(できれば無水エタノール) 20ml(出来上がり総量の40%)

・水(できれば精製水) 30ml

・クエン酸小さじ1/2

・スプレー容器/エタノール等の有機溶剤を入れてもよい素材の容器を使用

 

【作り方】

1、計量したエタノールと水にクエン酸を加えて振り混ぜる。

2、以上、出来上がり!!(笑)

 

*クエン酸は、もともとレモンやみかんなどの柑橘類に多く含まれる酸です。いろいろな食品に使われており、万が一、ペットちゃんが舐めてしまっても問題はないと言われています。

*エタノールの殺菌作用で臭いの元になる雑菌の増殖を抑え、

蒸発しやすいので、スプレーして湿ってもすぐに乾きます。

アルカリ性の尿の臭いを酸性のクエン酸で中和し臭いをカットできます。

 

*100均容器は、エタノールで変質する危険が有るのでやめた方がよろしいかと思います。できればガラス容器がベストです。

 

*HPで検索すると、精油を数滴混ぜて作る消臭剤も紹介されていますが、誤った使い方をするとペットちゃんや、妊娠中の方に害を及ぼす場合もございますのでご使用の際は十分にご注意ください。

 

 

看護士 西尾

 

2012年 6月 07日 掲載

今回は6月~8月の中毒性のある植物・植物の危険な部位

どんな症状が出るかをいくつかご紹介します。

アサガオ

<危険部位>

*種*

<症状>

下痢*嘔吐

アジサイ

<危険部位>

*つぼみ*

<症状>

嘔吐*麻痺*痙攣*死亡*昏睡

ケマンソウ

<危険部位>

<葉・茎・根>

<症状>

嘔吐*麻痺*痙攣*呼吸困難*心臓麻痺

デージー

<危険部位>

全草

<症状>

皮膚炎*嘔吐*掻痒*発赤*昏睡

スズラン

<危険部位>

全草

<症状>

嘔吐*頭痛*麻痺*心臓麻痺*血圧低下

その他・・・トマト(茎・葉)ナス(茎・葉)ブドウ(特に皮)

植物を活けてあった水でも中毒症状が起こることがありますので、飲ませないようにしましょう。

お散歩で上記の植物を見かけたらワンちゃん・ネコちゃんを近づけないようにしましょう。

また、草花の近くは除草剤がまかれている事があるので、食べさせないようにしましょう。

万が一食べさせてしまった場合、また思い当たる症状がありましたら、当院までお問い合わせ下さい。

 

看護士:横田

 

2012年 5月 31日 掲載
気候も暖かくなりお散歩日和が
続くようになってきましたね(^^)♪
お散歩から帰ってきたら
体をかゆがっていることはありませんか??
今回はかゆみの原因である
ワンちゃん・ネコちゃんの天敵!!
ノミについてご紹介します。
ノミの主な繁殖場所
毎日掃除機をかけているのに
なぜノミがいるの??と
疑問に思ったことはありませんか??

ノミは室内・室外いずれの環境下においても生息でき
暖房などの暖かな環境が整った室内では、
1年中生息が可能です。

<室内>
ノミは暗く湿った暖かい場所が好きです。
暖かい室内の方が繁殖に適しており、
冬の間でも寄生~産卵を繰り返す事ができます。
例えば・・・

お掃除をする時は、上記の場所を
念入りにしていただくと、より効果的です!!
<室外>
庭先の直射日光が当たらないところ
(ワンちゃんのお家・草むらなど)に多く見られます。

お家で簡単!!ノミの見つけ方

 

①ノミ取りクシで毛をすく

 

②クシの中に黒い塊が見つかったら・・・

 

③黒い塊を濡らしたティッシュの上に置きます


④ティッシュが赤くにじんだらノミの糞です



 

なぜ赤くなるの??

ノミが吸血した血液がそのまま糞として排泄されるため、
赤血球が溶けることで赤くなります。

定期的な駆虫をしよう!!
衛生的な飼育を心掛けていても、ノミの卵や幼虫、さなぎなど
全てを駆除するのはとても難しい事です。
ノミはかゆみだけでなく・・・
アレルギー性皮膚炎・瓜実条虫症(サナダムシ)・その他
大量寄生、吸血による>貧血・かゆみのストレス化膿性皮膚炎といった
動物たちの病気や・・・
ネコひっかき病(バルトネラ症)・ノミ咬刺病
瓜実条虫症(サナダムシ)・ネコリケッチア(発疹チフス)といった
人にも感染する病気の原因にもなります。

ノミの寄生からワンちゃん・ネコちゃんと飼い主様を守るため
環境対策と同時に、ノミの生活環を断ってくれる予防薬
定期駆虫を含めた総合的なノミ対策が必要です(^^)
看護士 横田
2012年 4月 14日 掲載

春になり、今年もフィラリア予防の時期がやってきました。

フィラリア症の予防薬(以下、フィラリア薬)は、蚊から犬の体内に入ってきた初期のフィラリア幼虫(心臓に寄生する前の段階)を駆虫することによって、フィラリアが犬の心臓に寄生してしまうことを防ぎます。そのため予防期間としては、蚊が出始める4月下旬あたりから、蚊がいなくなって1ヶ月後までの11月下旬あたりまでとなります。蚊がいなくなっても、忘れずに最後の月まで飲ませてあげて下さい。

この期間1ヶ月に1回、きっちりとフィラリア薬を飲ませて頂くことによって、蚊に刺されてもほぼ100%フィラリアの感染予防ができます。

 

〈フィラリア薬使用前の血液検査について〉

フィラリア薬は安全性の高いお薬ですが、すでに心臓に成長したフィラリアが寄生してしまっているワンちゃんにおいては、副作用が起こる危険があります。

それは、フィラリア薬によって多数のミクロフィラリア(心臓に寄生したフィラリアが血中に産み出した子虫達)が急激に死滅することによって起こる副作用で、食欲不振や吐き気、脱糞、ひどい場合はショック症状が起こります。

この副作用は、時に血中にいるのが少量のミクロフィラリアであっても起こることがあったという報告もあります。

そのため、その年の飲み始めの際には、必ず血液検査を行って、すでにフィラリアに感染してしまってないかどうかのチェックをした上で飲ませ始めていただいています。

前年度にきちんとフィラリア薬を投与していた方でも、人が見てないところで薬を吐いてしまっている可能性もあるので、きちんと予防できていたかどうか確かめましょう。
また、去年のフィラリア薬が残っていても、いきなり飲ませてしまうのは危険なのでやめて下さい。ワンちゃんの安全のためにとりあえず血液検査をさせて頂き、飲ませて頂いても大丈夫かどうか確認してから使用してくださいね。

 

担当:獣医師 加藤

 

 

2012年 4月 06日 掲載

こんにちは!!
突然ですが、皆さんは普段ペットさんたちの足の裏をじっくり見ることありますか?
普段は地面に接していることが大半を占める足の裏。
今日はこの足の裏にまつわる病気の予防や事故対策について考えてみたいと思います。

ワンちゃんネコちゃんの足の裏。
まず目に入るのはやはり肉球ではないでしょうか(^^)
小さい頃はピンク色で柔らかかったのに、今は黒くて硬くなっていたり…。
ワンちゃんネコちゃんたちの日々の生活スタイルによって、肉球の色は変化していくものです。
加齢や歩行による刺激によって、足裏の色素が沈着し、変色、硬化していくといわれています。
老齢犬、老齢猫では皮膚の新陳代謝機能が低下してしまうので乾燥した時期や寒い時期には肉球がひび割れてしまう事があります。
保湿性のクリームなどを使って、ケアして頂くことをお薦めします。

次に見て頂きたいのが指間の毛です。
足裏の肉球にかぶさるほど、毛が伸びていませんか?
指間の毛が肉球を隠すことによって肉球の働きの一つである滑り止めの役割が果たせなくなってしまいます。
特に、最近の住宅事情ではフローリングの床で生活しているワンちゃんネコちゃんたちも多いと思います。肉球を毛で隠したまま全力疾走!!そして、もし転んでしまったら…。

滑りやすいフローリングの上を歩くために、足の踏ん張りが利かず足腰の関節を痛めてしまったり、急な方向転換時にぎっくり腰を引き起こすことがあります。ジャンプや階段の昇り降りは腰に負担がかかりやすいので、特に注意が必要です。

予防には、足裏の毛をバリカンですっきり刈る。滑り防止効果のある肉球保護剤を塗る。床に絨毯を敷く。滑り止め効果のあるワックスを床に塗るといった対策と、急激でない運動で少しずつ筋肉を鍛える対策が有効です。

また、汗をかかないと言われているワンちゃんの身体の中で、唯一汗をかく場所。それが足の裏の肉球周りです。特に毛の量が多いワンちゃんは足先が蒸れてしまいがちで通気性が悪いためにマラセチアという細菌が繁殖し、皮膚炎を起こしてしまうこともあります。

マラセチアとは、カビ(真菌)の一種で、ワンちゃんネコちゃんたちの正常な皮膚にも常に存在していて、普段は全く悪さをしません。
しかし、脂質や湿度のあるところを特に好み、抵抗力が落ちている時には繁殖しやすく皮膚炎と並び、外耳炎を引き起こす原因のひとつとも言われています。

症状としては、独特の臭いと痒みが特徴です。
痒さで足先を舐め続け、二次的な細菌感染を引き起こしてしまうケースもあります。
もし、執拗に痒がる仕草を発見したら、一度診察を受けて頂くことをお薦めします。

以上のように、足裏の毛が伸びていることで、私たちの大切な家族であるワンちゃんネコちゃんたちが辛い思いをしているかもしれません。
彼らに生涯健康で快適に過ごしてもらうためにも、足裏のケアの必要性を考えて頂けたらと思います。

当院では足裏の毛刈り処置もうけたまわっております。
ご興味を持たれた方は、ぜひお気軽にご相談ください。

担当:看護士 西尾

2012年 3月 03日 掲載

メリット

  • 万が一飼い主様と離れてしまった時(迷子・盗難・災害・事故等)でも、動物を保護したときに身元を確認することができます。
    そのため、飼い主様のもとに戻ってくる可能性は高くなります。
  • 注入時の副作用はなく、耐久30年です。
  • 一度体内に埋め込むと脱落や消失することはありません。

デメリット

  • 入れる際に太い針を刺すため、一瞬ではありますが痛みを伴います。
  • 痛みをなくすために全身麻酔をかける場合は、麻酔代等がかかります。
  • 本当にごくまれにですが、チップを埋めたところに繊維肉腫(せんいにくしゅ)という悪性の腫瘍の発生が報告されています。

飼い主様へのお願い

マイクロチップ代+挿入処置料 → 3200円
(麻酔が必要な場合は 別途麻酔代がかかります)
登録料として別途1000円が必要になります。
挿入処置後に登録申込書をお渡し致しますので、登録料の受領書を添付してから郵送してください。
手続きを行わないと、登録完了になりませんのでご注意ください。

東北大震災でも飼い主様と離れ離れになってしまった動物がたくさんいました。
当院では頂いた処置料の中から500円を社団法人愛知県獣医師会を通じ、このような動物達のために募金させて頂いております。

担当:看護士 横田

2012年 2月 25日 掲載

ペットと暮らすうえで、みなさん一度は避妊・去勢手術を考えられた事があるのではないでしょうか?
しかし、「健康な体にメスを入れるのはかわいそう・・。」 「費用がかかるし・・。」などの理由から、二の足を踏まれる方も多いと思います。

確かに避妊・去勢手術は「する」「しない」のどちらを選択しても、それぞれにメリットとデメリットがあります。

今回は、改めて避妊・去勢手術の必要性について、みなさんにご説明したいと思います。

●本当にかわいそうなのはどちらだと思いますか?

今一緒に暮らしているペットさんの生活を考えてみましょう。女の子の場合、発情が来てもその度に交配させるということは基本的にはありません。男の子の場合、女の子のもとに行きたがる、交配したがる様子があっても行かせなかったりします。
・・・・よく考えてみると、それはその子にとってとても不自然なことであり、思うようにいかないというストレスを与えている事になります。

避妊・去勢手術は、そのストレスをなくすというメリットがあります。

ワクチンや予防薬などをされる飼い主さんが増えた事により、ペット達の寿命が延び、高齢でよくみられる腫瘍疾患や生殖器に関連する病気で来院される子も増えてきています。
このような病気の中には、避妊・去勢手術により予防できるものもあります。

また、予想外の妊娠・出産を防ぐことや交尾行動による病気の感染予防、縄張り争いの為のケンカの減少、攻撃性の低下などのメリットもあります。
怪我をした時、病気になった時の治療代や手術代と比べると、避妊・去勢手術代の方が何倍も安く済むというメリットもあります

更に、病気の時に手術を行うよりも、健康な時に行う避妊・去勢手術の方が何倍もリスクが少ない状態で出来るというメリットもあります。

避妊・去勢手術をしたことにより、以前より太りやすくなってしまう子も中にはいます。
しかし、メリットとデメリットを天秤にかけると、メリットの方が多いのではないでしょうか?

大切な家族の一員のペットさんが、いつまでも健康で健やかに暮らせるように、もう一度避妊・去勢について考えてみてはいかがでしょうか?
もし、避妊・去勢手術のことで前向きにお考えの方は、お気軽にご相談下さい。
もちろん、ご不安なことや他に気になることがある場合にもお気軽にご相談下さいね。

担当:柴田・水出

2012年 2月 16日 掲載

今回は飼い主様でも簡単に出来るワンちゃんネコちゃんの健康チェックをご紹介します。
早速お家のワンちゃん、ネコちゃんでチャレンジしてみてくださいね。

①BCS(ボディー・コンディショニング・スコア)のチェック
※BCSとはもともとは牛の発育確認のために使われていたボディチェックです。
身体を触り、体格や脂肪の具合などを五段階で評価します。数値が低いほうが痩せ傾向にあり、高い方が肥満傾向にあります。理想はBCS3と言われています。適度に脂肪がつき、骨格や筋肉などがきちんとわかる状態です。

※画像をクリックすると拡大図を表示します

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  • 体を触って肋骨が確認できますか?触っても確認出来ない、または目で見えるほど浮き出ていませんか?
  • 上から見て腰のくびれはありますか?
  • 横から見てお腹はわずかにへこんでいますか?垂れ下がっていたり、極端にへこんでいませんか?
  • しっぽの付け根の骨はある程度触れますか?触れないほど脂肪がついていたり、見てわかるくらい骨が浮き出ていませんか?

太り過ぎは糖尿病や脂肪肝、足腰に負担がかかることによるヘルニアなどを誘発します。
だからと言って極端なダイエット、痩せ過ぎも免疫力が低下してしまい病気にかかりやすくなってしまいます。あくまで標準を目指しましょう。
1週間~1ヶ月くらいの短い期間で急激に痩せたり、食欲は普通なのに体重だけがどんどん増えたりした場合は何らかの病気にかかっているかもしれません。早めの受診をお勧めします。

②飲水量のチェック

意外と気にされていない方が多いと思いますが、飲水量のチェックは糖尿病や腎不全など初期では気づきにくい病気の早期発見につながります。

★飲水量のチェック方法★

  1. 計量カップを用意します。
  2. 水の量を測ってからお皿に入れます
  3. 寝る前など1日の終わりにお皿に残っている水を計量カップに戻し、最初に測って与えた量からどれだけ減っているかを計算します。

その子の平均飲水量を把握しておくと変化が分かりやすいですね。

  • 極端に水を飲む量が増えていませんか?また、減っていませんか?

冬は特に飲水量が減少する傾向にあります。飲水量が減少することでおしっこが濃くなり、尿石症や膀胱炎などの病気になりやすくなってしまいます。

でも、自然にたくさんお水を飲ませるのはなかなか難しいですよね。

そんな時はゴハンに缶詰を混ぜてあげたり、お肉の煮汁をトッピングして水分を摂れるようにしてあげましょう。

③排泄物のチェック

  • うんちの硬さは硬すぎたり柔らかすぎたりしませんか?
  • おしっこ、うんちの回数・量が極端に多かったり少なかったりしませんか?
  • 色はどうでしょうか?
  • 変なものが混ざっていませんか?

正常なうんちはやや硬め(掴んでも形が崩れない程度)でコロコロといくつかにまとまっています。濃い目の黄土色が正常だと言われていますがフードの種類などで多少は変わってきます。消化しきれなかったお野菜などが出てくることもあります。

明らかな便秘の場合はうんちが硬くなります。お肉、カルシウムをたくさん摂取したときにも硬くなる傾向があるようです。
油の多いものの食べ過ぎや冷え、お留守番や外出のストレスからうんちが柔らかくなることがあります。下痢を繰り返すと腸の粘膜が傷つき、血便や粘液便(ゼリー状の液体のようなもの)をすることもあります。
また、お腹に寄生虫がいることもありますので糞便検査をお勧め致します。

意外と気づきにくいのが血尿です。血尿、というと真っ赤なおしっこが出てくるイメージが強いと思いますが、中には茶色がかったおしっこが出ることもあります。

『トイレできばっているのになかなか排泄出来ない?』

なかなか出ないうんちは便秘、または下痢をしていて何度もトイレに行くけれどやっぱり出ない、という状態かもしれません。
ネコちゃんの便秘では”巨大結腸症”という、うんちが腸の中に大量に詰まってしまい自分で排泄出来ない病気になっているかもしれません。

また、うんちが出ていないと思っていたら実はおしっこが出ていなかった!ということがたまにあるようです。
おしっこが出ない病気は腎不全や結石症などがあります。

おしっこが長時間排泄されないと、おしっこで出るはずだった毒素が血流に乗り体内に回ってしまうことがあります。そうなると状態が一気に悪くなり、最悪の場合は急死してしまうこともあります。
些細なことでも「おかしいな?」「変な行動をしているな?」と思ったらお早めにご相談くださいね。

思いあたる項目はありましたか?気になることがあればお気軽に当院までご相談ください。
動物は野生の本能であまり弱った姿を見せようとしない子が多いものです。
日頃から少しずつ気にかけて、早期発見・早期治療に努めましょう。
(*^ω^*)ノ

担当:看護士 山下

2012年 1月 31日 掲載

 今日は、ワクチンで予防できるワンちゃんの伝染病についてご紹介します。

 当院ではワンちゃんのワクチンの種類として、5種と8種を用意しております。

 5種で予防できるのは、「犬ジステンパー・犬パルボウイルス感染症・犬伝染性肝炎・犬アデノウイルス2型感染症・犬パラインフルエンザ」の5種類の伝染病です。
 8種の場合、これに「犬コロナウイルス感染症・犬レプトスピラ病(2種類)」の予防が加わります。

 それでは、ひとつずつご紹介します。

  • 犬ジステンパー
  •  ジステンパーウイルスによっておこる病気で、発熱・下痢・神経症状などが起こります。
     致死率が高い、恐い病気です。

  • 犬パルボウイルス感染症
  •  パルボウイルスによっておこる病気で、トマトケチャップのような血便や嘔吐を起こす腸炎型がよく知られています。子犬に突然死をもたらす心筋型もあります。
     致死率が高い、恐い病気です。

  • 犬伝染性肝炎
  •  アデノウイルス1型によっておこる病気で、肝炎を主とし、嘔吐や下痢、食欲不振がおこることがあります。子犬では突然死することもある恐い病気です。

  • 犬アデノウイルス2型感染症
  •  アデノウイルス2型による呼吸器病で、別名「伝染性喉頭気管炎」といいます。
     肺炎や気管支炎などをおこし、発熱や咳などの症状が出ます。他の細菌やウイルスと混合感染すると、症状が重くなります。

  • 犬パラインフルエンザ
  •  パラインフルエンザウイルスによる呼吸器病で、「犬アデノウイルス2型」と似た発熱や咳などのカゼ症状を起こします。

  • 犬コロナウイルス感染症
  •  腸炎をひき起こす感染症で、下痢や嘔吐がおこります。
     パルボウイルスと混合感染すると、症状はいっそう重くなります。

  • 犬レプトスピラ病(2つの型があります。)
  •  レプトスピラという細菌によって腎臓や肝臓がおかされる、人と動物共通の恐い伝染病です。
     感染した動物のおしっこや、そのおしっこに汚染された水や土壌から、経口または皮膚を通じて感染します。
     代表的なのは、歯茎の出血や黄疸がみられる黄疸出血型と、高熱、嘔吐、下痢をおこすカニコーラ型の2種ですが、この他にもいろいろなタイプがあるので注意が必要です。

 ワンちゃんのワクチンは、50日齢くらいから接種が可能です。始めの年だけ間隔をあけての2回接種が必要で、その次の年からは、1回ずつ1年ごとに追加接種が必要です。
 ワンちゃんがこれらの伝染病にかからないように、または症状の発現を最小限にできるように、毎年のワクチン接種をお勧めします。

猫ちゃんの場合はこちらをご覧ください
» 「ワクチンで予防できる猫ちゃんの病気」

担当:獣医師 加藤

2012年 1月 10日 掲載

10月24日に院内にてファイザー様主催のセミナーが開催されました。

飼い主様にも是非お伝えしたい情報が盛り沢山でしたので、今回はセミナーのまとめを書かせて頂きます。

1 ワクチンって何?

ワクチンとは、病気の原因となる病原体(ウイルスなど)感染力がなくなるまで弱くしてお注射にしたものです。

2 ワクチンを接種すると何で予防になるの?

注射であえて病気の原因を体の中に入れることによって、その病気が本当に体の中に入った時に撃退できるしくみを体の中に作ります。病気と戦う「予行練習」をするという事です。

3 ワクチンは必ず接種しないといけないの?

狂犬病のワクチンについては法律で定められており、ワクチン接種と同時に地方に犬の登録をすることが義務づけられています。
混合ワクチン
については飼い主様の任意での接種になりますが、断然、接種することをオススメします。

なぜなら混合ワクチンで予防出来る病気はどれも重い症状で、すぐに亡くなってしまう確率が高いものばかりだからです。他のワンちゃんネコちゃんにも伝染させてしまう恐れのある病気もあります。

4 うちの子は室内犬だし、散歩もお外に出ないから大丈夫!

ワンちゃん・ネコちゃんはお外に出なくても、飼い主様はお買いものやお仕事に行かれたりしますよね。
その時に他のワンちゃん・ネコちゃんと触れ合う事があったり、ペットショップに行ったりすると思います。

また、他のワンちゃん・ネコちゃんの通り道を歩いているかもしれません。その時に靴の裏や服などにウイルスを着けて帰って来てしまっている可能性があるのです。
もし、そのままお家のワンちゃん・ネコちゃんを触ってしまったら…と思うと、お家から出ない子でもやっぱりワクチンは必要になるんです。

5 生まれたらにすぐにでもワクチン接種をしたほうがいいの?

生まれたばかりの仔犬ちゃん・仔猫ちゃんは病気から自分で身を守る力がありません。そのため、お母さんから初乳を通して移行抗体という病気をある程度ブロックできる免疫をもらいます。
生まれてからすぐにワクチン接種をしても、仔犬ちゃん・仔猫ちゃんの体はお母さんの抗体に守られているため、ワクチンの効果が期待できません。

だいたい生後50日頃から徐々に抗体が薄れていくと言われていますので、その時期からの接種をオススメします。ワクチン接種が終わるまではなるべく他の動物との接触やお散歩は我慢しましょうね^^

6 もう高齢だし、今までずっとワクチンをうってなかったけど…

高齢のワンちゃん・ネコちゃんの飼い主様で「体の負担になるかもしれないし、今までうたなくても病気をしなかったのだから今更ワクチンと言われても…」という考えをお持ちの方もみえます。
しかし、今更ではありません。人間と同じで、ワンちゃん・ネコちゃんも年を重ねるごとに身体の機能は低下します。

病気を防ぐ力、病気と戦う力も弱くなってしまいます。高齢になった今だからこそ、病気を防ぐためにワクチンの必要性がぐんと上がるんです!

7 ワクチンを接種する時の注意って?

まず、ワクチンをうつために必要なのは健康であることです。病気やケガをしているところにワクチンをうつとかえって体調を崩してしまうこともあります。
また、フィラリアなどの寄生虫が体内にいるとき、妊娠中のワンちゃん・ネコちゃんもなるべく避けた方が良いと言われています。

さらにワクチンによるアレルギーが存在します。ワクチン接種から4~18時間の間で顔が腫れてしまう症状(ムーンフェイス)が見られることがあります。

特に注意したいのがアナフィラキシーという急性のアレルギー症状です。大変稀ですが起きてしまうことがあります。一般的にワクチン接種直後から30分の間に過度の興奮・激しい嘔吐・虚脱・呼吸困難などが見られます。

しかし、発現後の早期処置をすることで大事に至ることはほぼ無いそうです。ワクチン接種後は普段よりもしっかりと様子を見てあげてください。

当院ではアレルギーの出やすい一部の犬種(プードル・ダックスなど)でアレルギー予防の事前注射を実施しています。
ワクチン接種をした日に他のワンちゃん・ネコちゃんとの接触や、激しい運動、遠くへの外出、シャンプーなども体調を崩す原因になるので控えた方が良いでしょう。

以上、ワクチンについてファイザー様のセミナーを元にまとめさせていただきました。
何かご不明な点があればお気軽にご相談ください。

正しい知識と理解をもって大事な家族の健康を守ってあげられると良いですね☆

担当:動物看護師 山下

2011年 11月 02日 掲載