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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

【ちょっとしたお話】 病気

 本格的な暑さになって参りました。飼い主さん共々、ワンちゃん、猫ちゃんたちは夏バテ大丈夫ですか??
 今回はこんな季節には特に多い病気、外耳炎のお話です。

 外耳炎というのは、簡単にいえば耳の穴に炎症がおこる病気です。
 原因はいろいろありますが、外耳道に蓄積した耳垢に、細菌やカビ、酵母が繁殖して、耳道の粘膜に感染が起こるのが一般的です。

 特にこの暑い季節はお耳の中の環境が悪くなりやすいので、菌が増殖するにはもってこいの状態になってしまいがちです。
 特にお耳が垂れているコや耳の中に毛が生えているコは、耳の中への通気性が悪いので、外耳炎になりやすい傾向があります。

 その他にも外耳炎は、耳ダニというダニが耳の中に寄生することによって起こるものや、アレルギーの症状のひとつとして起こるものもあります。

主に見られる症状としては、

  • ・耳の汚れがひどい
  • ・耳を引っかく
  • ・頭をしきりに振る
  • ・耳がにおう
  • ・首を傾けている

などなどです。

 もしおうちのワンちゃん猫ちゃんにこのような症状が見られたら、外耳炎の可能性が高いです。

 外耳炎の治療としてはまず原因を突き止めて、主にお耳のケアと点耳薬による治療を行います。
 症状によって飲み薬を併用することもあります。アレルギーによるものが疑われる場合は、食事の変更や、アレルギー検査を行うこともあります。

 外耳炎は進行してしまうと、炎症で壁が肥厚して耳の穴をふさいでしまったり、さらに奥に進行して中耳炎や内耳炎にまでなってしまう可能性もあるので、要注意です。
 症状が見られたら、その段階ですぐ病院に連れて行って、炎症が軽い段階で治療を受けられることをお勧めします。

2008年 7月 28日 掲載

 健康だった中年以降(大体4~5歳以上と考えて頂いて良いと思います。)のメスの犬や猫が突然、嘔吐が始まったり元気がなくなったりして、血液検査やレントゲン、超音波検査で、子宮蓄膿症だと診断される事があります。
 子宮蓄膿症は、中年以降の避妊手術をしていないメス犬(猫)に発症する病気です。
 犬では、平均発症年齢は7・1プラスマイナス2.4歳であり、自然発症率は0.6%と言われていますが、9歳以上の未避妊犬の発症率は66%と言う報告があります。

 症状は、元気及び食欲の低下、多飲、多尿、嘔吐、腹部膨満、陰部からの膿の排出(これを開放型と言い、陰部から膿が排出されない型を閉鎖型と言います。)などです。

 放置すると、腎機能不全やDIC(=藩種性血管内凝固症候群 後述※①)によって死に至る事もあります。

 子宮蓄膿症は、性ホルモン(エストロジェンの刺激やプロジェストロン)が多く関与しており、それと共に細菌感染(原因菌の70%は大腸菌)が起こる事により、発症します。

 治療法は、内科的療法(プロスタグランジンF2アルファーと言うホルモン剤の注射)で抑える事も出来ますが、20%前後で再発があると言われています。
 ですので、完全なる治療法は、出来るだけ早期に卵巣と子宮の摘出をするのが一番だと思われます。

 尚、早期に手術を行っても、先程言いましたDICや免疫異常による自己免疫性溶血性貧血(後述※②)などを併発し、2~3%(他の資料では、5~8%)の動物が死亡すると言う報告があります。

 それなりの年齢のメスの犬猫を飼ってらして、以上の症状を示し、尚且つ未避妊であった場合、子宮蓄膿症の疑いがありますので、早めに受診される事をお勧めします。
(因みに・・・犬猫と書いてきましたが、これは犬猫に限った事ではなく、兎やフェレットなどでも発症します。)

※①DIC(藩種性血管内凝固症候群)
 いわゆる血液の凝固疾患のことであります。様々な疾患によって組織障害が起こり、その為に血管凝固促進物質が大量に流出して、凝固系の働きが更新します。その為に血小板やフィブリノーゲンなどの凝固因子が大量に使われ、そして不足し、その結果凝固異常を起すもので、血栓による循環障害、ショック、出血などが起こる状態のことです。

※②自己免疫性溶血性貧血
 細菌感染などの他、あらゆる原因により免疫異常がおこり、自分自身の赤血球を標的にしてしまい、その免疫反応の結果貧血になる病態を言います。

2008年 3月 31日 掲載

 酷暑に多かった皮膚病も治まり、その後少しの間、消化器病(下痢や嘔吐)が流行りましたが、昼夜の寒暖の差が激しいこの10月は泌尿器病や循環器病が目立つように思います。

 今日は泌尿器病についてお話しさせて頂きますね。

 当院に来院される泌尿器病で一番多いのが、膀胱結石(結石になる前の結晶の状態の子が多いですが。)です。
 結石の種類は、ストルバイトが圧倒的に多い様に思いますが、その他にもシュウ酸カルシウムや尿酸アンモニウム、システィン(稀です)などがあります。
 その原因は、体質(生成され易い体質、特に犬はよく発症する結石が特定の犬種で認められる事から、代謝障害などは遺伝するのではないかと言われています。)、細菌・ウィルス感染、ストレスなどが考えられます。
 一旦治療させて頂いて、尿中の結晶が検査で認められなくなっても、月に一度はおしっこの検査をさせて頂いています。
 初発で認められる症状は、排尿困難、排尿痛、頻尿、血尿などです。

 以上の症状は、膀胱結石以外に、単純な膀胱炎(結石と併発することは多々ありますが。)や、腎疾患、泌尿器の腫瘍、そして♂犬でしたら、前立腺肥大など、様々な原因によっても起こります。

 原因により治療は異なってきますが、長い間放置しておくと、やはり治癒に時間が掛かる事が多いので、お家でお飼いになっている動物達のおしっこの回数が増えていたり、色が変わっていたりその他諸々の症状がありましたら、一度受診されることをお勧めします。。

2007年 10月 19日 掲載
 

●膿皮症とは
温度・湿度の高い梅雨から夏にかけてよく見られる病気の一つとして「膿皮症(のうひしょう)」という病気があります。この病気になると、皮膚の表面や毛穴の部分がポツポツと赤くなったり、膨らんだりします。かゆみの為、なめたり掻いたりする仕草もみられます。

●膿皮症の原因は?
この原因は細菌(主に黄色ブドウ球菌)の感染によるものです。
膿皮症は気候やストレスなどの何らかの理由によって皮膚の免疫力・抵抗力が低下し、通常の状態よりも細菌が異常に増殖してしまっている状態です。

 

●予防法
皮膚を清潔に、乾燥させておく事が予防につながります。ただし、シャンプーのしすぎも皮膚の抵抗力を低下させることがあります。間隔は3~4週間に一度くらいがベストでしょう。
また、長毛種の子は夏場だけでも短く毛をカットしてしまうのも良いでしょう。汚れがつきにくい、毛玉の防止、湿気がこもりにくいなどのメリットがあります。
それでも膿皮症になってしまった場合は治療が必要になります。気になる症状がある場合は病院で診察をうけてみてください。

2006年 6月 13日 掲載

 猫さんも、人間と同じように風邪のような症状を示すことがあります。
症状としては、激しいくしゃみや咳をし、たくさん鼻水を飛ばしたり、目やにが出たりします。
 これは猫ヘルペスウイルスによって起こる病気で、「猫ウイルス性鼻気管炎」といいます。40度前後の発熱があり、のども腫れますので、元気や食欲がなくなる猫さんもいます。

 強い伝染力があり、他のウイルスや細菌との混合感染を引き起こし、症状が重い場合は死亡することもあります。特に子猫はかかりやすく、目や鼻に後遺症を残したり、高い死亡率を示す場合があります。

●猫の風邪は人間にもうつるの?
 飼い主さんからときどき質問を受けますが、猫さんの風邪は人間には感染しません。逆に、人間の風邪が猫さんに感染することもありませんので、安心していっしょに生活できます。

●「猫ウイルス性鼻気管炎」にならないためにはどうしたらいいの?
 感染してしまってから治療するには時間がかかり、その間飼い主さんも猫さんもつらい思いをします。
 「猫ウイルス性鼻気管炎」にはワクチンがあり、予防することができます。万が一感染してしまった場合も、症状が軽くすみます。
大事な猫さんが健康に過ごすために、ワクチンの接種はとても重要です。
 猫のワクチンは、他の怖い伝染病との混合ワクチンになっていますので、予防のために、ぜひ定期的なワクチンをおすすめします。

2006年 2月 06日 掲載

●耳がくさいのは普通じゃないの?

ある日の院内での会話です。

患者さん :
「うちの子、何だか最近、頭をよく振るんだよね~。」
スタッフ :
「あら、お耳が随分汚れてますね。匂いも少し気になったんじゃないですか?」
患者さん :
「え!? 耳がくさいのって普通じゃないの!?」

 ワンちゃん、猫ちゃんでよく見られる病気の一つに外耳炎が上げられます。
この病気の場合、耳の汚れが酷くなる、痒がって掻いたり頭を振ったりする、赤くなってしまうといった症状が現れます。
 匂いに関しては個人差がありますが、正常なお耳の子ではあまり「くさいなぁ…」とは感じないレベルだと思います。(私が鈍いのかもしれませんが…)

●外耳炎の原因は?

外耳炎の原因は細菌、真菌(カビ)、寄生虫、アレルギーと様々です。
寄生虫以外の原因では湿度、温度に影響されやすいので、梅雨時から夏場にかけて悪化がみられます。先程の子の場合は<マラセチア>という真菌が原因の外耳炎を起こしていた為に、真菌の出す発酵臭が匂いの原因になっていました。抗真菌剤とお耳のケアによる治療で、今ではすっかり匂いも汚れもなくなり、頭を振るしぐさもなくなりました。

外耳炎をあまり放置しておくと中耳炎、内耳炎、耳血腫(耳の皮膚に血液が溜まってしまう)などの病気に進行してしまう場合があります。あまり様子を見すぎずに、なるべく早めに受診してくださいね。

2005年 12月 17日 掲載