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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

ワンちゃんのシャンプーについて

前回のちょっとしたお話にも載せさせていただきましたが、シャンプーをすることにより、

  • 細菌・ダニ・ノミ・真菌(カビ)の繁殖を予防が期待できます。
    ※薬用成分の入ったもの(ラベルに抗菌作用、抗真菌作用となっている物)は特に期待できます。

    その他にも

  • 皮膚の新陳代謝を高め、毛の発育が良くなる、皮脂の分泌を正常に保てるようになる。
  • 血行が良くなり、皮膚と毛が良い状態が保てるようになる。
  • 通気性を良くし、蒸れることを防ぐ。
  • 体臭を防ぐ。
  • 汚れを取る。

    また、薬用成分の入ったものになると

  • 炎症を和らげる。(痒みのあるワンちゃんに適応。)
  • 保湿する。(乾燥しやすsいワンちゃんに適応。)
  • 皮膚の表面をバリアしアレルギーの元の侵入を防ぐ。(アトピー性皮膚炎のワンちゃんに適応。)
  • 皮膚のサイクル(ターンオーバー)が速い場合、正常にする。(フケが多いワンちゃんに適応。)

などメリットがいっぱいあります。

※基本的に薬用シャンプーは診察させて頂いたうえで、こちらから適したシャンプーをお伝えしています。

では、実際にお家でシャンプーをして頂くために、なにを準備したほうがよいか、どうシャンプーをしたほうがよいか、お伝えしますね。

準備するもの

必要な物
  • ブラシ » 参照
  • カット綿
  • 大きく軟らかいスポンジ
  • タイマーもしくは時計
  • タオル
  • ドライヤー
  • シャンプー…
    ワンちゃんの皮膚は、人ではPH4.5~6.5の弱酸性なのに対し、PH7.0~と弱アルカリ性です。
    また、皮膚が人間より薄くデリケートなため、シャンプーはワンちゃん専用のシャンプーを使用してください。
あるとよい物
  • コンディショナー
  • イヤークリーナー

洗い方

1.ブラッシングをする
しっかり抜け毛を取り、毛のもつれを無くしてください。

ブラッシングのポイント
毛の流れに沿って何度かブラッシングした後に、毛に逆らってブラッシングをしてください。

2.耳の中にカット綿を詰める
カット綿で耳の穴にふたをして、耳の奥に水分が入るのを防ぎます。

3.ぬるま湯で濡らす
カット綿で耳の穴にふたをして、耳の奥に水分が入るのを防ぎます。

ぬるま湯とは…
ぬるま湯の温度は35度前後です。
※皮膚病になっているワンちゃんの場合ぬるま湯の温度は30度以下にしてください。(プールの水くらいです。)冷たいように思われるかもしれませんが、30度以上ですと、乾燥や炎症といった症状を起こしてしまうかもしれないからです。
特に冬の寒い時期は、浴室やお風呂上りの部屋を暖めておくとよいでしょう。
濡らすときのポイント

  • シャワーヘッドをワンちゃんの体に押し当てて濡らすと、飛び散らず、音も静かなのでワンちゃんの緊張を軽減できます。
  • お顔が濡れるのを嫌がるワンちゃんが多いので、お尻→背中→お顔と濡らしていくと、慣れて嫌がることを軽減できます。
  • お顔を濡らすときは、あごを手で支えてお顔を軽く持ち上げながら、おでこにシャワーヘッドを当てると、目・耳・鼻・口の中にぬるま湯が入りづらいです。
    ※うまくいかない場合は、手でぬるま湯をすくいかけるか、スポンジを使って少しずつ濡らしてください。

4.シャンプーで洗う
シャンプーを全身につけて、指の腹を使って地肌をマッサージするように洗うことにより、汚れを浮かせ、薬用成分を浸透させます。

使うシャンプーの量は?

短毛種:1㎏当たり2ml
長毛種:1㎏当たり3ml
※ボトルシャンプーの1プッシュが1回5mlです。

シャンプーのつけ方のポイント
直接シャンプーを体につけるのではなく、あらかじめ桶の中で少し薄め、手で泡立たせから体につけるとシャンプーの効果も上がり、全身につけるのもスムーズになります。
お尻→背中→お顔の順にシャンプーをつけてください。
皮膚病のワンちゃんは → 1番に症状がでているところを洗い、全身にシャンプーがいきわたってから、10分はシャンプーを流さないでください。この10分が薬用成分を体に浸透させ、効果を発揮します。
耳の内側や付け根、指間と肉球の間、脇、内腿の洗い忘れに注意してください。
+α
シャンプーの最後に肛門腺(ワンちゃんなどにある匂い袋です。)を絞ると、絞った後にすぐ流せるので匂いが残りません。

5.ぬるま湯でよくすすぐ
シャンプーをしっかり流しましょう。

すすぐポイント

  • すすぐ順番は、「濡らす」、「シャンプーで洗う」とは逆で、お顔→背中→お尻です。
  • 耳周り、指間と肉球の間、脇、内腿、お尻周りは特にシャンプーが残りやすいので注意しましょう。
    ※シャンプーが残ってしまうと、皮膚病の原因になることもあります。

6.(コンディショナーをつける。)
毛を保護し、皮膚の乾燥を防ぎます。

7.毛を乾かす
タオルやドライヤーを使い、よく乾かしましょう。

注意すること

    ドライヤーは近づけすぎに注意してください。
    皮膚病のワンちゃんは → タオルでこすらないこと、ドライヤーを使う場合は、冷風で体から離し、短い時間で使うようにしてください。(炎症を起こしてしまうかもしれないからです。)

8.耳に詰めたカット綿をとる。

9.(耳のケア) » 参照
無理しない程度に掃除してあげてください。無理しすぎるとかえって炎症や傷の原因になることがあります。

きちんとシャンプーするのは、とても大変ですが、頑張って一度試してみてください。
また、シャンプーのことで、気になる点がございましたら、お気軽にご相談くださいね。

担当:動物看護師 厚味

2011年 9月 20日掲載
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