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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

「ケン、ありがとう☆彡」

昨日は私の誕生日でした。
そして奇しくも我が家の愛犬ケン(16歳半)の命日でもありました。

「ケンとの時間はあと僅かだろうなぁ・・。」と頭で分かってはいても、どこかでそれを否定したい気持ちがあったのと診察に没頭していたこともあり、昨夜7時半の夫からの電話に気づきましたが、そのまま診察をしていました。
少しして、二回めの電話があった時、「もしや・・?!」と思い直して出てみたところ、「もう本当に危ない。」との事・・・。
後片付けをしている看護師さんに事情を伝えて、ダッシュで帰りました。
道中、「ケン!ケン! 待っててよ!母さん今帰るからね! 絶対に死んじゃあダメだよ!!」と叫びながら、アクセルを吹かしていました。

家に着くと、ケンは真っ赤に目を腫らした長男に抱かれて、ぐったりしていました。
「遅かったか・・・。」と思いつつ脈を取ったらまだ脈はありましたが、本当に細くて弱い脈でした。そして長男は黙って私にケンを抱かせてくれました。
数分後・・・ケンは私達に看取られて、私の手の中で静かに息を引き取りました。

ケンは、今にも消えてしまいそうな命の灯を灯しながら、私の帰りを待っていてくれたのでした。

ところで私は、長い間、コラムに書こうとずっと温めていた話がありました。でも、書けない内容でもありました。
それは『多くの動物は、自分の死期が近づいて来ると、大好きな飼い主さまが逢いに来てくれるまで死なずにずっと待ってる!そして死ぬ時期を選んでいる!』という話でした。

なぜそう感じたかと言いますと、長い臨床経験の中で、そういう動物を沢山見て来たからでした。
「死期の近い末期癌のワンちゃんが、一番可愛がっていた遠方に嫁がれた娘さんが逢いに来られるまでずっと待っていて、顔を見た途端亡くなってしまったり・・。」「末期の腎不全の猫ちゃんが、点滴で入院して夜退院した後、ご夫婦2人が揃うのを待ってから、亡くなったり・・。」数え上げたら切りがないくらいそういう事って起きてたのですね・・・。ですので私は「動物たちの何とも表現できないこの力は凄い!!」とずっと思ってました。(他人は偶然だと笑うかも知れませんが・・・。)

ただ、それをコラムに載せるには一つの躊躇がありました。「どの飼い主さまだって大事な動物の死に目に逢いたい!って思ってるのに、逢いたくても逢えなかった人はどうなるの?!こんな事を載せたらその人傷つくよね!!」と思ったのですね。なのでそれを思えばこそず~っとコラムに書けませんでした。

そんな事を思いながら数年が経ち、ちょうど二年前、私がいない間にムサシ(シェパード、次男と私が主に面倒を見ていた病院の供血犬です。)は息を引き取ってしまいました。仕事を急いで終えて車を飛ばしましたが、間に合いませんでした。・・・動物の死に目に逢えなかった飼い主さまの事を考えているうちに、今度は自分が同じ経験をすることになったのですね・・・。

だからこそ、よけいに「何があってもケンの死に目には逢いたい。」と言う、変なこだわりがありました。
「ケンが待っててくれて嬉しかったけど、ムサシは何で待っててくれなかったんだろう・・。」「でも、死に目にあう、あわないなんて事よりどれだけこの子達が私達と一緒にいて幸せだったって感じるかってことの方か大事なのかも知れない・・・。」「あ~あ・・・家に帰ってもケンが迎えてくれないのは寂しいな~・・・。ケンが居るのが当たり前だったのに今日から居ないって思うと、ツマンナイな~・・・。」と悲しさと共にいろんな思いが頭の中を駆け巡って来ます・・・。

ある友人が、「感謝するって事は、当たり前の事に感謝するってことなんだよね!」と教えてくれたことがありました。
「そう・・・。当たり前の様に我が家に来て、当たり前の様に三人の子供達の隣にいて、当たり前の様に私達の帰りを待っててくれたケン。」
「私達家族は本当にあなたに癒されました。ケン、本当にありがとうね! 私達はケンの事が大好きだよ!ありがとう☆彡」

今日はいつも以上に取り留めのない話ですみませんでした。
ケンの事を心配して下さって、メールやメッセージを下さった皆様、本当にありがとうございましたm(_ _)m。

16年前

左側;16年前、我が家に来たばかりの頃 長男とパチリ!
右側;亡くなる3日前、長男に抱かれて。

三男と野球観戦中

三男と野球観戦中

三男と

あらあら~・・・、そこまでして三男にくっついていたいですか~?!
なんか、微笑ましいと言うか可笑しかったので、撮りました。

2016年 1月 27日掲載
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