ペットの診察・治療・病気予防
フィラリア予防・去勢避妊・鍼灸

アクセスマップ・愛知県知多郡阿久比町

診療時間

犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

「ケンの命の灯(ともしび)」

我が家のケン(ミニチュアダックス、16歳半)の命の灯の消える日が少しずつ近づいています。

ここ二週間くらい食欲も落ち、一旦寝ころぶと自力では起き上がれず、立たせても数歩歩けば転ぶ姿を見て、かなり衰弱しているのを感じでいました。
そして昨夜も「危ないかも知れない。」と夫から連絡が入りましたので、帰宅直後長男に手伝ってもらって、がっちり鍼灸を施したところ、寝る前には居間をとことこと歩きだしたので、安心して休みました。

ところが、今朝は微動だにしなくなり・・・意識も遠のいてました。
それで 「ケン!ケン・・・!起きて!!」と叫びながら、ぽろぽろ涙を流してましたら、ケンがありったけの力を振り絞って、立ち上がりました。
これには、本当にびっくりしました。 もうろうとした意識の中でもちゃんとケンには私の声が届いていたのですね・・・。

そして、今日仕事を終えて帰宅すると、またぐったりしていて・・・ケンは正に”ろうそくの火が強くなったり弱くなって消えそうになったり・・・”の繰り返しです。
でも、流動食は受け入れてくれるので、飲み薬や点滴など負担のかかる治療は止めて、鍼灸をしながらケンを看ています。
離れた所に住んでいる次男も三男も今回ばかりは心配していて、マメにラインをくれます。
昨夜は長男から「覚悟しといた方がいいぞ。」というラインを受け取った次男が 「我が家に来てくれてありがとう!ってケンに伝えてほしい。」 と殊勝な事を言ってきました(涙)。

ここ数日、ケンを看ながらいろんな事を考えます。
大事な動物の死期が近づいてきた飼い主さまたちと自分の姿がだぶったり・・・。
ムサシが亡くなった時の事を思い出したり・・・。
「ムサシを含めて、今まで可愛がっていた動物たちの死に目に逢えなくて辛かった!」とずっと思ってたけど、亡くなる子を手の中でずっと見守るのもそれはそれで辛いだろうな~・・・。」と思ったり・・・。

ところで、ケンは16年前に子供たちがまだ小さくて手の掛かる時に我が家に来たのでした。
子供たちを保育園や小学校に送り出した後、私は朝から夜遅くまで仕事三昧・・・。
ですので、ケンはムサシが来るまでの7年間、ずっと一人でお留守番をしてました。
それでも、毎晩「ただいま~!」って帰ると、みんなの事を喜んで迎えてくれて・・・。 いつも私達家族と一緒にいてくれて・・・。 
でも実はず~っと前から私はある事を考えてたんですね~。
「もっと長い時間家にいることが出来て、ケンの事をゆっくり抱っこしてあげられるお母さんがいる家にケンが来たら、ケンは今よりもっと幸せだったんじゃないかなぁ~。」と・・・。

とは言え、ご縁があって我が家に来てくれたんだし、時間は取り戻せないので、数年前からは息子たちには合言葉のように言ってました。 「ケンがうちに来て幸せだったな~!って死ぬ時に思ってくれるように、ケンを大事にしようね!」って。
ケンは今、「我が家に来て良かった!」って心から思ってくれてるんでしょうか・・・?!
それはケンに聞いてみないと分からないことですね・・・。(仕事でアニマルコミュニケーションをしていても自分の犬にはブロックが掛かってしまって、私は聞くことが出来ないのですね・・・。)

我が家の大事な四男のケンがいつまで生きてくれるか分かりませんが、彼の命の尽きるまで、家族と見守っていきたいと思います。

お寒くなりました。
皆さまも動物さんたちもお風邪など召されませんよう、ご自愛くださいね☆彡

ケン

連絡を受けて急いで帰宅して、ケンを抱き上げました。
「ケン、母さんだよ!ただいま~!」

リリー

ぐったりしたケンの前で「だからさ~・・・ケンが大変なことも分かるけど、僕にもいい子いい子ってしてね!!」って言うリリー。
みんながケンばかり構うので、少しつまらなそうですが、今の状況はちゃんと分かっているように思います。

梅

暖かさに触発されて、今年はいつもより早く開花したお隣の畑の梅。
こうやって見てるだけで心を和ませてくれる、自然の力は本当にすごいですね~。

2016年 1月 24日掲載
Home » 院長コラム » 「ケンの命の灯(ともしび)」 (現在のページ)