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その⑫「鍼灸学院の一日・・推掌(すいな)の効果」

この日曜日(10日)は、10時から吉祥寺で、いつもの、月一の鍼灸学院(正しくは日本獣医中医薬学院)研究科の推拿の授業がありました。
3年前にこの学院に入学し、去年9月に卒業した後、私を含め同級生の殆んどが10月からこの研究科に通っています。(去年までは月に2回授業がありました。)

学校に着くなり、全員ジャージとTシャツに着替え、1時間程校長指導の元で気功をして気を充実させた後、校長の授業が1時間半あり、昼食後、岩西先生の推拿(すいな;ツボや経絡をマッサージすることにより、患者動物を治癒に導くもの)の授業と、その後病気気味のワンちゃんの鍼灸治療(実習)を班ごとに行って、ようやく1日が終わります。

この研究科に来て2つの事を学びました。

  1. 臨床を通して、患者動物により良い治療をさせて頂く為の大切な条件は、知識と技術のみならず、治療をさせて頂く私達が心身共に健康でなくてはならない。と言うこと。
    ・・・いつも治療の前には気功等をして気を整え、仕事が忙しい時もなるべく疲れを残さない様に養生してベストな状態に自分を持って行くことこそ最善の治療が出来るのだと、より強く思う様になりました。
  2. 患者動物を治癒に導くのに、「絶対にこれ!!」と拘る事をせず、患者動物が心地よく治療を受けてくれるよう、鍼灸の他に推拿(すいな)や指針(ゆびばり)などの工夫をすること。
    ・・・この推拿の研究科に来てから、治療の幅が広がったように思います。

治療上、病気に繋がっているツボに針を刺すので、嫌がる子がいました。(腎臓病の子に腎臓から離れた後ろ足の内くるぶしの腎臓のツボに針を刺すと、腎臓が悪いので痛がるのですね。)
そういう時は5年〜6年前からダイオードと言う短い棒でツボを刺激してましたが、それでも嫌がる子には、無理して刺激をせず、推拿(マッサージ)をしながら、優しくツボを刺激します。

針は直接ピンポイントでツボを刺激するので、脈も数秒から数分で整います。正直な話、針を使った方が手っ取り早いのですが、無理やりやる事がメンタル的な面でその子に良いとは限りません。
少々遠回りに見えても、推掌をする事により、その子自身も私を受け入れてくれるので、治療がスムーズになります。

待合室に入った時は、緊張でブルブルしていた子も帰る時は、身体も心も少しでもリラックスしてくれたらこんな嬉しい事はありません^_^V(そして結果もついて来てくれたら尚更です!)
以上、少し??長くなりましたが、推掌のお話をさせて頂きました。

山内校長の座学

1時間ほど気功で心身を整えた後、山内校長の座学があります。
本校で2年間(小中研では6〜7年間)学んで来ても、中医学はまだまだ奥が深く・・・授業の度に新しい発見があります。

校長が「百会」に直接お灸をしているところ

よもやま話その11で、てんかんの猫ちゃんの「百会」にお灸しているところを掲載しましたが、この日は同級生の中でなかなか眠れないと言う人がいたので、校長が「百会」に直接お灸をしているところです。

お灸の台

茶漉しのサイズに合った竹で作ったお灸の台です。

棒灸とその台座

中に艾(もぐさ)を入れて、下から火をつけて竹にセットします。これなら自分で自分の百会にお灸する事が出来ます。因みに私はよもやま話その11の猫ちゃんにしている棒灸とその台座を使っています。

ダイオード

身体の悪い所と繋がっているツボに針を刺すので針を刺す瞬間に痛がったり、刺す時は良くても針を身体に刺した後の響く感じを嫌がったりする動物がたまにいます。
そんな時にはこの「ダイオード」を使います。人の治療でも針を怖がる子供に使うようです。
これなら動物達も結構受け入れてくれますしこれでも治療効果はあります。
過敏が故に「ダイオード」も受け入れてくれない子には指でツボを直接刺激します。(指針)

2015年 5月 13日掲載
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