犬条虫(瓜実条虫)について
犬・ネコなどの体内に寄生する虫です。
大きさは最大で50cmにもなり、主に小腸に寄生し栄養分を奪って成長します。
【どんな動物に寄生するの?】
イヌ・ネコ・フェレット・ヒトなど。犬には犬条虫、猫には猫条虫がそれぞれ寄生します。
【どんな症状が出るの?】
下痢(特に仔犬さん子猫さんでは多数の条虫が寄生することにより激しい下痢を起こしてしまうことがあります)
下痢にともなう栄養不良や養分を吸収されることで痩せてしまったり、毛艶が悪くなったりします。
また、急に重症化する症例ではないためはっきりとした症状がなく、見逃してしまうこともあります。
【どのように寄生するの?】
この寄生虫はノミを媒介します。
グルーミングで体を舐めた時、犬(猫)同士でじゃれあったときなどにノミが口から体内に入ってしまうことで
寄生虫が体内に入り感染するのです。
【予防の方法は?】
ノミの定期的な予防をして頂く、シャンプーを定期的にするなどです。当院ではノミ予防のスポットタイプのお薬を用意しています。
【寄生してしまったらどうしたらいいの?】
動物病院で糞便検査をし、診断します。
寄生が見られたら駆虫薬による治療をします。一般的には飲み薬を寄生虫がいなくなるまで飲んで頂くことになります。
ネコちゃんの場合ではスポットタイプのお薬で治療することもできます。
もし寄生虫による下痢がひどい場合は下痢止めのお薬を飲んで頂いたり、点滴をすることもあります。
・・・もしもこんな様子を見かけたら・・・
- 肛門周り、排泄物(糞便)に白いゴマのような粒が着いている
- お尻周りを気にしている、床にこすり付けたりする
- 原因不明の下痢をするようになった
寄生虫の検査は主に糞便検査で診断をします。出来る限り排泄物(糞便)を持参して頂くようお願いをしております。
人間にも伝染する病気です。寄生の有無に関わらず普段から以下のようなことに注意して自分自身が寄生虫に感染しないようにしましょう。
- 過度のスキンシップ(人間と同じ箸やフォークを使う・同じお皿を使う・布団で一緒に寝るなど)を避けましょう
- 動物を触った後は必ず手を洗いましょう
- 排泄物は放置せず、適切な方法ですみやかに処理しましょう
担当:動物看護士 山下