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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

氏家さんとキキが残してくれたもの

1月15日早朝 去年一緒にインドへ行ったM氏から、氏家さん訃報のメールが入った。
氏家さんは、「山」と言ういわきの瞑想場で瞑想法を指導しながら、癌などの難治性疾患の治療もしておられた。


氏家さんのご遺影

私は、10年前にある代替医療のセミナーで氏家さんと知り合い、その後瞑想を習う為にに「山」へ何度も足を運んだ。
行くと、決まって朝まで氏家さんとお酒を交わした。

毎回私はその時の課題?を一つ持って行くので、その度に氏家さんはお酒の席で 「工藤さん、それはね~・・・。こういう事だと思うよ!」と、教えて下さった。
それで一気に肩の力が抜けてまた愛知で頑張ることができた気がする。
氏家さんは様々なグルに逢いに60数回インドへ行かれたとのことだったが、元々持っておられた気質もあるのだろう・・・。
人を観る眼の鋭さと優しさは、人一倍長けておられたと思う。
氏家さんとは、実は5年ほどブランクがあったのだが、一昨年また交流が始まった。
だが・・・まさかこんな早くに亡くなってしまうとは、夢にも思わなかった。

人は一生のうちでどれだけの偉業を成し遂げたか・・・、どれだけの名声を得る事が出来たか・・・、あるいはどれだけお金を残したか・・・。どこにその価値を置くかは人それそれだと思う。
だが、こうして亡くなった後も、その方の優しさ、ほっとさせるような温かさ、ユーモアさ・・・目には見えないが、それこそ一番大切な遺産ではないかと私は思う。
氏家さんのご冥福とうちの病院のキキの冥福を心からお祈り致します。

 
※追記;キキは開業して一年目に、産まれてひと月くらいだったと思うが兄弟のココと一緒に当院にやってきた。
病院に来た時、ウィルス性疾患のせいで二頭とも上瞼(まぶた)と下瞼が目ヤニでくっついてしまっていたので治療をしていたのだが、飼い主さまの都合によりそのままうちの病院の子になった。実に16年もの間病院の子としてスタッフ達に育ててもらったのである。

24日の日、私は朝から風邪のせいか熱を出してしまった。
予約の患者さんが数頭いたので、熱による身体の痛みをこらえながら診察をしていた。着替えて帰ろうとして時計を見た時には11時近かった。
休憩室の隣りの入院室にキキは居たので、余裕のある時はちょっと覗いてキキの顔をさすってから帰るのだが、この日は遅いし疲れてるし熱もあるし・・・と言う事で、入院室の外から「キキ、もう帰るよ~!バイバイね~!」と、声だけ掛けて帰った。
キキはいつもの様に「にゃ~!!」と挨拶をしてくれた。

そして翌日、熱が下がらず更に余裕のなかった私は声すら掛けずに帰ってしまった。
その後家について30分程して、電話が鳴った。
出てみると看護師だった。
「先生! キキが死んでます!!」との事・・・。
「あ~・・・。こんな事だったら、疲れててもキキの顔をさすってあげれば良かった・・・。」と悔やまれた。
いつ亡くなったのかはっきりしないが、くしくも発見されたのは私の誕生日の30分前だった。

キキが亡くなったその夜に、以前うちで働いてくれていた看護師の人達からお悔やみメールが沢山届いた。
そう・・・・。
キキは自分を主張する訳でもなく、ただずっと病院の二階に居て・・・それだけなのだが、ココと共に私やうちのスタッフ達をいつも癒してくれていたのである。

「キキ、長い間ありがとうね~・・・。
天国でココと楽しく暮らしてね~!
ずっと私達の事、見守っててね!
本当にありがとうね~・・・・。」


キキをお世話してくれた元看護師のKさんが撮影したもの。
亡くなった次の日に持ってきてくれました。
その後はずっと私の机の上に居て私を見てくれてます。
2012年 2月 02日掲載
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