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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

食べてはいけないもの

家族でご飯を食べているとねだってくるのでついついあげてしまう、、。

家に帰ったらチョコレートの袋がぐちゃぐちゃに荒らされていた!なんて経験はありませんか?

私たちが普段食べているものでも犬や猫にとっては毒になる食べ物は多くあります。

そこで今回は誤食すると特に危険なもの、与えない方がいい食べ物をご紹介します。

 

〇中毒の危険が高い物

 

・チョコレート

チョコレートが食べてはいけないものというのは有名なので皆さんも知っているかと思います。チョコレートに含まれているメチルキサンチン酸、カフェイン等の化学物質が中毒の原因になります。これらの物質はコーヒーや栄養ドリンク、コーラにも含まれていますので犬猫がいる空間で飲むときは注意が必要です。

症状として嘔吐、下痢、興奮、失禁、けいれんなどがあげられます。

苦みの強いもの(ビターチョコなど)の方が危険性が高いと言われており、接種後4~15時間でこれらの症状が出てきます。

 

・ネギ類

ネギ類(タマネギ、長ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウなど)に含まれる有機チオ硫酸化合物という物質が原因で、赤血球膜を破壊し数日後に貧血症状が表れます。

熱処理を行っていても毒性は消えません。そのため、その煮汁を与えることも禁忌です。

 

・キシリトール(ガム、キャンディーなど)

キシリトールを摂取するとインスリンが大量に放出され接種後30~60分程度でまず低血糖に陥ります。それに伴い嘔吐、運動失調が生じます。

どの中毒にも該当しますが、中毒症状が出る摂取量には個体差があり、ガム1粒で死亡した例もあります。このくらいなら大丈夫だろう、と思わず最低でも1時間は普段と変わりがないかよく確認してください。

 

・ブドウ、レーズン

犬がブドウやレーズンを摂取すると、急性腎不全を呈して死に至ることがあります。

生のブドウと比較してレーズン(干しブドウ)の方が中毒症状が出やすいと言われています。

なぜブドウやレーズンによって中毒が起こるかまだ解明されておらず、どれだけの量で中毒になるかも分かっていません。

しかし、犬でわずか10g(ブドウ1粒程度)の摂取で急性腎不全を起こした報告もあります。少しなら大丈夫、、、と思わず食べさせないようにしましょう。

 

・ユリ

ユリは非常に危険な観葉植物です。

ユリを摂取すると12時間以内に嘔吐、多飲多尿、 食欲不振を引き起こします。それらの症状はいったん治まり一見問題が改善したように見えることがあります。

しかしその後24~96時間以内に腎不全を発症します。

多くの場合致死性で、救命できたとしても慢性腎不全を患います。

花粉だけでも危険ですのでユリがある場所には近づかない、もし頂いた花束にユリが入っていれば、絶対に届かない所や入れない部屋に置くようにしましょう。

 

・ナッツ類

ナッツ類は脂肪が豊富なため肥満の原因になるだけでなく、下痢、嘔吐を引き起こすこともあります。また、シュウ酸を多く含んでいるため結石形成の原因にもなります。

マカダミアナッツは何が中毒成分かは分かっていませんが中毒症状を起こすこともあり、より注意が必要です。

 

 

〇中毒成分はないが注意が必要な食べ物

・牛乳

離乳期をすぎると牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が低下するため、乳糖を分解できず下痢を起こします。乳糖は過熱しても分解されないため、ホットミルクも良くありません。

乳製品の中でも、チーズやヨーグルトは加工する過程で乳糖の一部が分解されるため、下痢を起こすリスクが軽減されます。しかし、人間用に加工された味の濃いチーズやヨーグルトは健康を害する恐れがありますので、犬猫用に作られたものをあげるようにしてください。

 

・レバー

レバーは貧血予防や皮膚や骨の免疫を高める効果があり、健康に良い食材といえます。

ただ火を通して食べさせることと、与える量、回数に気を付けましょう。

レバーを食べすぎるとビタミンA、ビタミンB過剰症を引き起こすことがあります。

多くても週に一回程度がいいでしょう。またビタミンA過剰症を防ぐためにもビタミンAが一番少ない牛レバー(豚,鶏の1/10程)を与えるのが望ましいです。

そして、生のレバーは細菌や寄生虫が住み着いている可能性が高いので必ず火を通してから与えるようにしてください。

 

・ほうれん草、小松菜、バナナ、タケノコ、お茶

これらの食べ物はシュウ酸が多く含まれており、持続的に摂取していると尿路結石ができやすくなります。

本来であればシュウ酸は腸内でカルシウムと結合し便と一緒に体の外へ排出されるのですが、シュウ酸の量が多いと余った分は尿の中に出てきます。尿の中でカルシウムと結合すると石のような塊となり尿管を詰まらせたり腎障害が起こることもあります。

シュウ酸は水溶性の為、ゆでてからあげる手もありますが、3分間ゆでた時のシュウ酸の除去量は30~50%程と言われており、完全に除去できるわけではありません。尿石予防のためにはやはりあげない方が確実です。

 

〇誤って食べてしまった時は…

もし中毒性のあるものを食べてしまったら、特に症状が出ていなくてもかかりつけの病院に連絡し診察を受けてください。

その時、何をどれくらい、何時頃に食べたかスタッフに伝えてください。

来院までに嘔吐、下痢はないか、貧血症状がないか(歯茎が白い、舌が紫色)痙攣は起こしていないか等よく観察して頂き、いつもと変わった様子はないか注意して見ていてあげてください。

中毒性はなくても人間の食べ物や今まで食べた事の無い物を食べた時は嘔吐や下痢がないか、かゆみはないか(アレルギー反応)注意して見ていてあげてください。

すぐに症状が治まれば特に問題はありませんが、続くようであれば診察をお勧めします。そしてそういった症状が出た場合、以後口にしないようにしてください。

ふと目をそらした隙に盗み食いをされてしまったり、棚にしまっていたはずなのに漁られてしまったなんてこともあります。`中毒性のあるもはペットのいるところでは食べない‘ `扉に留め具を付る‘等工夫をし愛する家族を守りましょう。

2020年 7月 29日掲載
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