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『熱き獣医師たちの挑戦・・その②』

私は開業して22年になりますが、当初から『愛知県獣医師会知多半島分会』(知多半島で開業している愛知県獣医師会に所属する獣医師の集まり)という組織に所属していました。
ですが、鍼灸セミナーの殆どが日曜日だった事もあり、年に一度の総会すら出席できなかったので、長い間ただの幽霊会員でした。
それが3年ほど前から、「役員を持ち回り制にしょう!」と言う事になり、今まで何の役にも就いてなかった私でしたが、たまたま一昨年『学校動物ふれあい教室』の補佐役になったのが、この活動と関わるきっかけでした。(『学校動物ふれあい教室』は、前回のコラムでお伝えした通り、「我々獣医師会員が行う地元の小学校での授業を通して、学校飼育動物と子供達がもっと身近でいい関係が保てるようにしよう!」と言う主旨の元、愛知県の獣医師数名で発足した会です。)

それで、一昨年・去年と『学校動物ふれあい教室』を開く為に遠路はるばる稲沢から来て下さる前田先生のお手伝いをしました。
補佐としての私達の仕事は、前田先生が生徒たちに兎についての授業をした後、一人の獣医が生徒10人を担当して、一人一人に兎を抱かせてなでさせたり、二股の聴診器で自分の心臓と兎の心臓の鼓動の違いを体感してもらうことです。

ふれあい教室の準備会

3月のある日曜日を使って、『学校動物ふれあい教室』の主要メンバーと各獣医師会の補佐担当者とで準備会。
「要請のあった愛知県中の小学校に誰が行くのか、兎が足りない時は誰が運ぶのか・・・。」という話し合いだけで、実に3時間以上掛かります。

そもそも私は、‟意味が分からないけど役割だから割り切ってやる!!と言うことができない性格”なので、初めて『学校動物ふれあい教室』の事前打ち合わせの為にある小学校に行った時、初対面の前田先生に少し時間を取って頂き、その活動の主旨をお伺いしました。

その主旨は前回のコラムでお伝えした通りです。その時前田先生と交わした会話は以下の通りでした。
「今までずっと小学校のうさぎさんを診て来て、「何で兎なの?!」っていつも疑問だったんです。もともと兎は外敵だらけの所で生活してますから、自分の身を守る為に神経質にならざるを得なかったわけですよね!? だから普通に家で飼われてる兎も、とても賢くて神経質ですよね。
そんな神経質な兎を家ではなくて学校で飼うだなんて、兎にとってとっても迷惑な話じゃないですか?! もっと人馴れしていてフレンドリーな保護犬なんかを学校で飼っちゃあダメなんですか?!」と私・・。(保護犬とは、人間の身勝手で飼えなくなってしまって捨てられて保護された犬のことです。)
すると「でもね~、子供たちの中には動物に触った事が一回もない子だっているんだよね! そういう子達が怖がらずに触る事が出来て、学校で飼いやすい動物って言ったら、見かけと大きさからしても兎が一番妥当だってことになるんだよ。人に対してもあんまり攻撃的じゃないしね~・・。だから随分昔から子供達の為にちょっと我慢して学校に居てもらってるんだよね。だからこそ我々が兎の飼い方等をに生方にお教えして、兎にとってももっといい環境にしていかなくてはならないんだよね!」と前田先生。

と言う事で、前田先生のお陰で私も納得することができ、二年間前田先生の補佐として、とても有意義な活動をさせて頂く機会に恵まれました。
二年間補佐を勤めましたので、本来なら今春からは他の獣医師会員とバトンタッチして、私は別の役に就くことになっていました。

事前打ち合わせ

『学校動物ふれあい教室』の事前に必ず校長先生や担任の先生方と打ち合わせをします。
ここでは当日の段取りのみならず、兎アレルギーの生徒はいないか?いるとしたらその生徒の親御さんの了承は得られてるか?等についても情報交換をします。

と、ところが3月のとある日、前田先生から一本の電話があり、「単なる授業のお手伝いとか腰掛け程度の一~ニ年の持ち回りじゃなくて、これからは知多半島の小学校の先生方と密に連絡を取りあって、兎の飼い方の相談に応えたりこの活動自体をじっくりやる役を工藤先生にして欲しいんだよね!工藤先生は、この二年間この活動にかなり賛同してくれてたでしょ?!」と半分脅し的な感じで言われました。(でへへ・・。前田先生、正直でゴメンナサイ!)
その時、「げ・・・。どうしよう・・・。私これから名古屋の病院開業の準備もあるしこんな大変そうな役の依頼を受けるんだったら、前田先生にいろんな質問をぶつけないで、黙って大人しくお手伝いだけしとけば良かった・・・。」と思ったのは言うまでもありません。

と言うわけで、結局お引き受けすることになり、その後愛知県の獣医師会館での準備会に出たり、前回同様今年も『学校動物ふれあい教室』を開講する為の打ち合わせ等をさせて頂き、なんと、今年からはその授業もお引き受けするという大役まですることになってしまいました。

学校動物ふれあい教室の練習風景

当日の初授業に備えて、水出先生に聞いてもらいながら、練習しているところです。(水出先生~!いつもありがとう~)

授業風景

私の初授業です。
過去に前田先生達がお作りになったDVDを元にまとめたものを教えたので、結構楽勝でした!・・・と言うより、こうして無事に終わる事ができたのは、打ち合わせの後の前田先生のご指導の賜物と水出先生のお陰なんですね!

ふれあい教室、榊原先生

授業の後の兎とのふれあいの場です。
補佐の榊原先生(こうえいペットクリニック院長)が二股聴診器を使って、兎と生徒の心臓の打つ早さの違いを聴いてもらおうとしているところです。
実際にその違いを知ると、みんな驚きの顔をします。
私達獣医からすると当たり前の様な事でも生徒からすると一つ一つが感動みたいで、毎回私も楽しんでやらせて頂いてます。

2016年 6月 25日掲載
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