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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

血管肉腫

血管肉腫は極めて転移速度が速く、悪性度の高い腫瘍です。

8~10才のオスのワンちゃんに多く見られ、中でもジャーマンシェパードとゴールデンレトリバーで発生率が高いとされています。

 

この腫瘍のうち50%が脾臓、25%が心臓(右心房)、13%が皮下組織で発生しております。

その他にも肝臓、膀胱、骨、舌など、様々な部分での発生が報告されています。

 

症状:

腫瘍化したのがどこの部分かによって現れる症状は異なります。

多くの場合は腫瘍が破裂したことによるショック(急性の虚脱)、腹部の腫れ(腹腔内血液貯留)で病気が見つかります。

また、不整脈も認められることがあります。

 

検査:

エコーやレントゲンで腫瘍の有無を確認すると同時に、血液検査で貧血や止血異常などを確認します。

確定診断は腫瘍組織の細胞を観察する“病理検査”になります。

 

治療:

外科手術をおこない、腫瘍を摘出することが必要となります。

残念ながら手術が成功したとしても数か月しか生きられないとされています。

しかし、病気の発見時には腫瘍が破裂しているか、破裂のリスクが高い状態であることがほとんどですので、手術をしないでいるとすぐにでも亡くなってしまうことが予測されます。

 

治療法として外科手術だけを行った場合、術後の生存期間はおよそ20~60日(1年以上は10%以下)とされていますが、術後に抗がん剤を使用した場合、生存期間はおよそ140~202日(1年以上は30%)と延長させることができます。

 

 

 

どのような病気でもいえることですが、どのような形の治療を選択されたとしても最後まで迷われたり悩まれたりされることでしょう。

また、この病気のように進行が速く、命にかかわる病気ではますます心細くお感じになられることと思います。

ご不安やご質問がおありでしたら、何でもおっしゃってください。

その子にとって、また、その子の飼い主様にとって、どのような形が一番良いのか、QOL(生活・生命の質)を守るために何ができるのか、私たちスタッフも精一杯考え、努力していきたいと思います。

 

 

担当 : 獣医師 水出

2012年 10月 04日掲載
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